中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

県境越え医療連携検討 広島・岡山県 '08/4/5

▽救急や医師不足対応

 県境をまたいだ救急搬送や、医師不足などの医療課題に対応するため、広島、岡山両県が将来的な連携の在り方について検討を始めたことが四日、分かった。当面は定期的に情報や意見を交換し、医療機関や救急体制の現状などへの共通認識を深める。

 両県によると、二月末に各担当部長や医療対策担当者らの意見交換会を岡山県庁で開いた。岡山県側は、笠岡、井原市からの福山市への救急搬送状況などを説明。県境を越えた医療機関の円滑な連携や医師不足などの課題に対し、県が果たすべき役割を協議、検討していく方針を申し合わせたという。

 岡山県保健福祉部は「まずは相互の現状や課題を共有することから始めたい」と説明。広島県健康福祉局は「医療政策のキーワードは連携。両県の施設や取り組みをつなげることで、効果を高めていきたい」としている。次回の意見交換会は五月までに開く予定。

 担当エリアが広島県境に接する岡山県内の四消防組合・本部によると、二〇〇七年に広島県側へ救急搬送した件数は計四百九十八件。広島県内から岡山県側への実績は少ないものの、福山、庄原市などから高度医療を提供する倉敷市内の病院への転院搬送は恒常化しているという。

 県境を越えた救急搬送に関して厚生労働省が一月にまとめた調査では、中国地方五県を含む三十都府県が搬送の条件や手順などのルールを「定めていない」と回答している。(加納優)




MenuNextLast
安全安心
おでかけ