Jパワー社長、英ファンドの大幅増配要求に拒否の構え

2008年 04月 1日 07:26 JST
 
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 [東京 31日 ロイター] 電源開発(Jパワー)(9513.T: 株価, ニュース, レポート)の中垣喜彦社長は31日、2008年度の経営計画の発表の席上、英ファンドTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)が、昨年に続き大幅な増配の要求を示唆していることについて、「我々の経営構造からして乗れるものではないと思っている」と述べ、拒否する意向を明らかにした。

 TCIは、昨年6月の株主総会で、年間配当を1株60円とする会社提案に対し130円に引き上げるよう株主提案したが、反対多数で否決された。TCIは、今月27日、Jパワーに示した事業計画の提言書で、120円(会社予想は60円)への増配を要求することを示唆したが、中垣社長の発言はTCI側の要求をあらためて拒否する姿勢を示したものだ。

 TCIは、提言書で増配要求を示唆したほか、社外取締役の受け入れや株式持ち合いの解消などを求めている。中垣社長は社外取締役について、「取締役会と監査役会を両輪とする体制に何ら問題はない」と受け入れる考えのないことを強調。株式持ち合いについても、電力9社以外の顧客開拓などビジネスが目的であるとし、「将来のビジネスの果実として株主に還元することが大事」と述べた。

 同日に発表した2008年度から12年度までの経営目標は、連結経常利益(08年3月期見込み568億円)を2010年度に550億円以上、12年度に600億円以上とすることや、連結自己資本比率(08年3月期見通し23.3%)を10年度末に25%以上、12年度末に26%以上などとした。中垣社長は、12年までの5年間について、国内外での大規模な設備形成期に入ったと説明した。

 TCIは現在、Jパワー株を9.9%保有する筆頭株主だが、20%まで追加取得するため、外国為替法に基づいて株式取得を政府に事前申請し、現在、経済産業省と財務省の審査を受けている。中垣社長は、「外為法に趣旨に基づいて政府の厳格な審査と判断を期待したい」と述べた。

 (ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎)

 
 

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