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スイスUBSの元社長、事業部門の分離を要求

2008年04月05日 11:03更新 前の記事 次の記事  企業・事業再編一覧
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 サブプライム問題の影響で大幅な打撃を受けているスイスの金融大手UBSに対し、同行の元社長であるルクマン・アーノルド氏が、投資銀行部門とプライベートバンキング部門を分離するように求めている。

 UBSは過去9カ月間で374億ドルの評価損を発表しており、米サブプライムローンへのエクスポージャーによる損失は大手銀の中で最大規模。同行によると、第1四半期には190億ドルの評価損を計上して最終損益が121億ドルの赤字となる見通しで、151億ドルの資本増強を模索している。

 アーノルド氏は、3日付の書簡で「『一つの銀行』に統合されたUBSのこれまでのビジネスモデルが、自己勘定取引の損失と評価損による打撃を乗り切ることができるとは考えていない」と述べている。

 UBSの広報はアーノルド氏から書簡を受け取ったことを認め、後日返答を行うと述べた。書簡はUBSの副会長でフィアット・グループの最高経営責任者(CEO)でもあるセルジオ・マルキオンネ氏宛てになっている。

 アーノルド氏の提案は、一部の投資家からも支持を受けたと見られ、UBS株は3.3%上昇した。投資家の間では、伝統的に保守的だった経営姿勢からリスクの高い住宅ローン関連証券の取引に進出したことを批判する声がある。

 書簡の中でアーノルド氏は、UBSが株主に頼らず別の財源を確保すべきだと述べている。また、アセットマネジメント(資産運用)部門とブラジルの投資銀行部門であるバンコ・パクチュアル、オーストラリアやニュージーランドの事業部門を売却することを提案している。

 アーノルド氏はUBSのCEO就任後に、わずか8か月で「意見の相違」によって解任された。マルセル・オスペル会長は後に、相違は個人的なものよりも文化的なものと述べているが、背景には権力闘争があったと見られている。

 アーノルド氏は顧問弁護士のピーター・クレル氏がオスペル氏の後任となる人事についても批判している。オスペル氏は3日にUBSの状況に対する最終責任を取って辞任すると発表した。アーノルド氏は、クレル氏にはスイス市場に必要な戦略的なリスク管理能力が欠如していると述べている。

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*この記事はAP通信との契約で財経新聞社が日本向けに翻訳・編集したものです。翻訳・編集責任は財経新聞社にあります。AP通信はコンテンツの誤謬及び遅延、コンテンツに依拠してなされたすべての行動に関して一切責任がないものとします。Copyright 2006 The Associated Press. All rights reserved.

 

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