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発信箱:民主党VS社説=与良正男(論説室)

 民主党議員は不満のようだ。今度のガソリン税問題。毎日、朝日、読売、日経、産経各紙の社説はそろって「道路特定財源の一般財源化には大賛成、暫定税率撤廃にはこだわるな」の論調で、同党の対応に批判的だったからだ。

 この主張には読者からも「庶民の暮らしの厳しさが分からないのか」といった批判が寄せられた。世論調査でもガソリン値下げを歓迎する人が大半。そんな中、「教育や福祉、環境などまだまだ予算が足りない分野がある」とか、「税率は欧州に比べて低い」とか、「それが脱石油社会の構築につながる」とか言ってもなかなか通じない。それを痛感する日々だ。

 福田康夫首相の立場はもっと厳しい。少なくとも税金の無駄遣いをどうやめるのか、官僚社会にどうメスを入れるのか、極めて具体的に示さないと税率を戻すのに納得する人はほとんどいないだろう。

 よって、政治戦略のうえでは、ここまでは小沢一郎民主党代表の勝ちである。与野党の歩み寄りを求めてきた私たちの社説も敗北したといえるのかもしれない。

 それでも、と思う。ともかく、政界は緊張感がようやく増して、衆院解散・総選挙のムードが少し出てきたことだけはよかった。

 やはり、今の政権の方が安定していると思うのか。「小沢首相」に一度託してみようと考えるのか。次の衆院選は文字通りの政権選択選挙。もちろん、自民党でも民主党でもない、第三極の新党が現れる可能性もなくはない。

 いずれ、有権者が選挙で政治を動かす。「次」に進むために私もあきらめない。

毎日新聞 2008年4月3日 0時08分

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