欧州・ロシア

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

ドイツ:開発相「貧困による幼児死亡、容認できぬ」

会見するウィチョレクツォイル独経済協力開発相=小谷守彦撮影
会見するウィチョレクツォイル独経済協力開発相=小谷守彦撮影

 【ベルリン小谷守彦】ドイツのウィチョレクツォイル経済協力開発相は毎日新聞と会見し、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)のテーマのひとつである「貧困問題」に言及。世界各地で貧困により多数の幼児が日々死亡している現状を「特に重点を置く課題」と指摘したうえ、問題解決のためサミット参加国は支出を増やすべきだと訴えた。

 G8開発相会合(東京・5、6日)とアフリカ・パートナーシップ・フォーラム(同、7、8日)出席のため訪日を前に2日、ベルリンで会見に応じた。

 開発相は「5歳未満の幼児が1日2万6000人死亡している現状を絶対に受け入れられない」と強調。衛生的な飲料水の普及や医療の提供が緊急課題になると位置付けた。

 また、気候変動が進めば、「世界で2億人が移住を強いられ、環境難民になる」と懸念を表明。貧困対策と温暖化対策を組み合わせて対処する必要性を指摘した。

 非政府組織(NGO)は、昨年の独ハイリゲンダム・サミットで「先進国は約束した資金提供の具体策を示さなかった」と批判している。これに対し、開発相は洞爺湖サミットでは、国連が目標に掲げる政府開発援助(ODA)の増額に加え、貧困国に収益をもたらす温室効果ガスの排出権取引の拡大を求める考えを示した。

 開発相は、中国チベット自治区の暴動と中国政府による鎮圧にも言及。暴動を受け、独政府が中国との開発協力に関する政府間協議を中断したことについて「状況が変わらない限り交渉はしない」と説明する一方、「対話だけが解決の方法」とも述べ、開発協力以外の対中協議を続ける意向を示した。

毎日新聞 2008年4月5日 15時00分(最終更新 4月5日 16時08分)

検索:

欧州・ロシア アーカイブ一覧

 

おすすめ情報