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20年潜伏していた中国のスパイ

 1970年代に中国政府からスパイ教育を受け、85年に米国市民権を取得した後、「平凡な」生活を送り、90年代に米国の身元照会をパス、2005年スパイ容疑で逮捕…。

 米国の軍事機密を盗み出すために20年以上も「善良な米国市民」として暮らし、数年前になって活動を開始した中国系スパイの摘発事件に、米国社会は驚きを隠せない。

 米連邦裁判所は、米海軍の軍事機密を中国に流出させていた中国系米国人チ・マク被告(67)に対し、実刑24年6カ月を言い渡した。エンジニアのチ・マク被告は、米海軍の戦艦・潜水艦・武器などに関する重要軍事機密を中国に渡した疑いで起訴されていた。

 今回の事件が注目されているのは、チ・マク被告が本格的なスパイ活動のため米国市民権を取得した1985年前後の20数年間、完全に「冬眠していた」ということだ。チ・マク被告は70年代に香港で中国政府からスパイの訓練を受けた。そして米国市民権を得た後は、ロサンゼルス郊外にある米海軍関連会社で働き、夜遅くまで残業もするという模範的な「帰化米国人」として生活していた。チ・マク被告は96年に米政府の厳しい身元照会にパスし、米海軍の最重要機密に接近することもできた。

 チ・マク被告はこの時から妻のレベッカ被告と共に米海軍の機密をコピーし、中国政府に流した。中国系スパイ組織を追跡していた米連邦捜査局(FBI)は2003年からチ・マク被告を捜査対象としてマーク、05年10月にロサンゼルス空港から出国しようとしていた同被告を逮捕した。

 この1年間に米国で摘発された中国のスパイ事件は12件。件数は増加する一方だ。米捜査当局は「チ・マク事件同様、長期間“冬眠”しながら米国の学界や核ミサイル・潜水艦推進技術・夜間透視技術・戦闘機パイロット訓練などの専門分野に入り込んだスパイによる事件も増えている」と話している。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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