現在位置:asahi.com>社会>事件・事故> 記事

「米憲兵隊員がリーダー役」強盗容疑の2少年供述 沖縄

2008年04月05日09時54分

 沖縄県沖縄市で3月にタクシー運転手が客を装った3人組の男に現金を奪われた事件で、強盗致傷の疑いで逮捕された米軍人の家族の少年2人が、県警の調べに対し、事件に関与したのは5人で、このうち米軍に身柄を拘束されている米空軍嘉手納基地の憲兵隊員(21)が「リーダー役だった」との趣旨の供述をしていることが分かった。県警は憲兵隊員が事件を主導した疑いがあるとみて、米軍の協力を得ながら事情を聴いている。

 調べでは、逮捕された少年らは3月16日午前0時20分ごろ、沖縄市の市道で客を装ってタクシーを止め、降りてきた男性運転手を殴って負傷させたうえ現金8千円入りの釣り銭箱を奪ったとされる。

 2人は別の窃盗容疑で逮捕された後、強盗事件への関与を認めたうえで「ほかに3人がかかわっていた」と供述。憲兵隊員と、別の米軍人家族の少年2人(いずれも19)を挙げたとされる。実行役は自分たちと少年1人の計3人で、憲兵隊員は「グループのまとめ役だった」という内容の供述もしているという。

 憲兵隊員は事件現場にはいなかったとされるが、県警は実行役の3人の少年に何らかの指示を与えていた疑いもあるとみている。

 事件当時、沖縄の米軍は午後10時〜午前5時の間、米軍人の外出禁止措置をとっており、県警は事件当時、憲兵隊員がどこにいたのかなど、裏付け捜査を進めている。

 また、県警は残る少年2人についても逮捕状を取り、米軍に身柄の確保などの捜査協力を求めたが、米側の協力が得られず、事情聴取もできていないことが分かった。

 この少年2人は基地内に居住しており、県警が身柄を拘束できない状態にあるという。日米地位協定は、容疑者となった軍人・軍属については身柄が米側にある場合、起訴まで米側が拘束すると定めているが、家族は対象外。しかし、米軍施設内での逮捕は米側が行うとの日米合意がある。このため、県警は米軍に協力を求めている。

PR情報

このページのトップに戻る