牛鍋
福岡 下関・北九州 若松・二島 エリア
「Please」 2007年07月掲載
豪壮な和風の店舗は3年前、国の有形文化財に指定されたが、今日もなお料亭として現役である。メニューは種々あるが、売りは創業以来の味を伝える牛鍋である。五代目店主の真花(まはな)宏行さん(44)に店の歴史などを伺った。佐賀県で売薬業を営む「金屋」の出の初代が大阪で修業中、牛鍋に出合い、九州でも、と小倉で開業、明治12年だった。当時、神戸・小倉間に週一便、汽船が運航していて、それを利用して神戸の牛肉を仕入れたのである。屋号は実家の「金」をもらい「金鍋」を名乗った。小倉から戸畑、そして明治28年、若松に移る。若松は石炭の積み出し港として栄え、賑わっていたのである。現在の建物は明治45年に再建されたものである・・・・。
初期の牛鍋には、醤油を用いるすき焼き風と、江戸以来の猪鍋(ししなべ)に倣った味噌仕立てとがあったようだが、金鍋は後者を採った。現在、味噌仕立ては横浜の老舗とここだけである。
味噌は八丁味噌と麦味噌を合わせている。肉は脂身の旨さと品質の安定から伊万里牛を使っている。味の決め手は昆布を使うことだと真花さんは秘伝を明かしてくれた。肉は厚切りで、ほかに焼き豆腐、牛蒡、焼き葱、椎茸、人参が入る。卵を用いないでそのまま食べるが、予想外にさっぱりしていて、牛肉の旨さが存分に味わえた。レア状態がいい。文化財の座敷で文化財的な牛鍋を食べる贅沢を楽しんだのだった。牛鍋は通常鍋懐石「牛鍋コース」(6,300円)の一品になっている。
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店舗情報
若松料亭 金鍋
◎ 所在地:
北九州市若松区本町2の4の22
◎ 電話番号:
093-761-4531
◎ アクセス:
JR若松駅から徒歩5分
営業時間 |
11:00〜15:00 17:00〜22:00 |
休業日 | 不定休 |
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