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【萬物相】在韓米軍にとって韓国勤務は地獄?

 1980年代に、京畿道東豆川市に駐屯していた米軍2師団72戦車部隊は、すべての軍用トラックの後部ドアを常に開けっ放しにしていた。大隊長は「韓国はいつ戦争が起きてもおかしくない危険地帯だから、いつでも戦闘準備が整っていなければならない」と兵士の緊張をうながした。

 米軍部隊では、時折休日でも外出が禁じられることから、兵士たちの間では「韓国での勤務は地獄」とのうわさまで飛び交っている。ほとんどの兵士が家族を離れ、一人で韓国へやって来ているため、勤務期間の1年が終わればためらうことなく本国へと帰国する。

 在韓米軍2万8500人のうち、家族を連れて来ている兵士は10%にも満たない。原則として漢江より北側地域で勤務する場合、家族同伴を認めていないためだ。しかし、命令に絶対服従する軍人だからといって、何も一人で生活することの寂しさを感じないわけではない。そこで、一部の米軍兵士の家族たちは、個人的に渡航費をまかない、韓国を訪れ、米軍部隊の近くに家を借りている。歴代の在韓米軍司令官たちは、こうした事実を考慮し、非公式的に基地内での教育や医療サービスを提供してきた。

 米軍兵士3万人が駐屯する沖縄には、米軍兵士の家族が2万500人も暮らしている。部隊内には「ハイタワー」と呼ばれる高層マンションや、将校専用住宅、子どものいない夫婦向けの専用住宅、学校や医療施設なども整っている。勤務期間は、家族を同伴すれば3年、一人なら2年だ。ドイツの米軍兵士たちも家族同伴の場合は3年勤務が義務付けられている。ヨーロッパに駐屯する米軍兵士たちは、既婚者の約70%が家族と共に暮し、生活の安定を求めているという。

 バーウェル・ベル在韓米軍司令官は昨日、「われわれも本国から家族たちを呼ぶ時代になったと感じている。家族同伴の場合は3年勤務する方向で検討している」と述べた。「冷戦時代にヨーロッパに駐屯していた米軍は、ソ連軍と対峙しながらも家族と共に暮していた。だから韓国でも決して無理なことではないと思う」というのだ。韓国戦争(朝鮮戦争)以来、米軍部隊が韓国に駐屯する場合、休戦ライン付近となることが多かったため、昔から最も危険な地域として考えられてきた。しかし、米軍部隊が漢江よりも南に再配置されるのを皮切りに、韓半島(朝鮮半島)情勢は大きく変化しようとしている。

 ベル司令官は「1年の勤務では、地域社会との交流もできずに帰っていくことになってしまう。家族と共に正常な生活を送ってこそ、生活の質も向上し、韓国人との深い友情関係も築き上げることができる」と話した。また、韓国に家族がいるということは、韓国人にとっても意義深いことだ。両国関係を考える際に、米国と米軍が韓国をさらに重要視するきっかけとなるのだ。「孫娘の安全に脅威を与えると思われる案件については、一切妥協しない」。つい先日、韓国の子どもを孫娘として養子に迎えたベル司令官の言葉からは、いつになく重みが感じられた。

キム・ドンソプ論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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