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日本統治の遺産評価 米学者の著書、初翻訳 (2/2ページ)
内容は日本統治時代、代表的な民族資本で、東亜日報も創刊した「京城紡織株式会社(京紡)」とその創業者一族の歴史を克明に調査、分析したものだ。
著書でエッカート教授は日本統治時代について「陳腐な通説と歪曲(わいきよく)された歴史認識によってその歴史的意義が隠蔽(いんぺい)されてきた」「この時期の工業化が今日の韓国経済の形成に果たした役割はきわめて重要である」「植民地支配はすべての朝鮮人に苦痛をもたらしたわけではなく階層によって影響はさまざまだった」「日本は圧制者であると同時に社会経済の変化の推進者でもあった」と分析。歴史について「正と負の両面」を含む多様な見方を強調している。
教授は韓国版の序文で、過去の韓国での批判に対し「本書は韓国資本主義の出現を研究したものであり、歴史記述における”日本人と韓国人”とか”抑圧と犠牲・抵抗”といった民族主義的二分法から脱皮しようとしたものだ。日本の植民地支配を弁護したものではない」と反論している。
また翻訳者で研究者の朱益鐘氏(ソウル大経済学科卒)は「韓国で伝統社会を解体し資本主義経済を発展させた起動力が外部からもたらされたことは明らかだ」とし「韓国では今なお、収奪論と近代化論の対立構図を越えられないでいる。著者の意図を正確に理解することは韓国における近代史論議をより発展させる一助になる」(あと書き)としている。