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「自由と繁栄の弧」消え「アジア外交強化」へ 外交青書

2008年04月01日10時08分

 高村外相は1日の閣議で、08年版「外交青書」を報告し、了承された。麻生元外相が提唱した「自由と繁栄の弧」とのキャッチフレーズが影を潜める一方、福田内閣の基本方針「日米同盟の強化とアジア外交の推進の共鳴」を前面に出した。安倍・麻生外交から福田・高村外交へのシフトが鮮明に打ち出された格好だ。

 「自由と繁栄の弧」は、麻生氏が06年11月に発表。東欧から中央アジア、東南アジア付近にかけた地域の民主主義の発展に向け、重点的に支援する構想。07年版の青書では「日本外交の新機軸」とされる一方、「対中国包囲網」との批判もあった。

 外務省関係者によると、08年版では「自由と繁栄の弧」という表現はわずか3カ所で使われただけで、代わってアジア外交に重点が置かれている。特に日中関係では、要人の往来を通じて「ハイレベル対話が強化」され、「『戦略的互恵関係』の更なる進展に向けた展望が広がった」と評価している。

 また、「『平和協力国家』として、世界の平和と繁栄により積極的に貢献していく」ことを強調。政府の途上国援助(ODA)などを通じたイラクやアフガニスタンへの支援のほか、1月に成立した補給支援特別措置法によって、インド洋での給油活動が再開されたことなどを自賛している。

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