食糧不足の北朝鮮、中国に大規模支援を要請と　韓国紙

ソウル――韓国紙、ハンギョレ新聞は４日、北朝鮮が最近、中国に対し大規模な食糧支援を求めたと報じた。外交筋の情報としている。中国はまだ回答していないという。

北朝鮮は例年、韓国から食糧、人道支援を受けているが、李明博大統領の対北朝鮮融和政策の見直し表明で南北関係が悪化していることを反映した動きとみられる。

李大統領は今後の南北経済協力について、核問題の進展を条件にすることを表明。北朝鮮はこれに反発し、今年３月には南北共同事業の開城工業団地から韓国政府職員を追放、黄海では艦対艦短距離ミサイルを３発発射し、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は最近、李大統領を名指しで非難、新政権の対北朝鮮政策を批判していた。

一方、韓国の対北援助団体「グッドフレンズ」は３日、首都・平壌の住民への食糧配給が半年間中止される見通しだと報告していた。北朝鮮当局者の情報としている。平壌でのこれほど長期の食糧配給の中断は初めてとしている。

北朝鮮は昨年夏の大規模洪水で農地が甚大な被害を受けており、食糧不足が極めて深刻な状況をうかがわせている。同団体は先月、平壌居住の中位、下位公務員へのコメ配給が３月に入り停止、２月には通常の６０％まで削減されたと報告していた。

平壌には、金正日総書記の体制に忠実とされる公務員、住民だけが居住をみとめられるとされ、同市の食糧事情は地方部に比べ、恵まれた状況にあると推測されてきた。

北朝鮮への食糧援助に当たる世界食糧計画（ＷＦＰ）は先に、昨年夏の大規模洪水で北朝鮮がここ数年で最悪規模の食糧不足に遭遇していると警告。洪水禍で、北朝鮮の農地の１１％以上が破壊したとしている。