2008年04月04日16:19更新
米大手投資信託会社各社は米連邦準備銀行の緊急貸付けプログラムからの借入額を増加させている。米連銀は3日、米大手投資信託会社各社は2日までの一週間で平均して一日に381億ドルの借り入れを行ったと発表した。米連銀からの大手投資信託会社借り入れ平均額は、米連銀による貸付け機関が設立された最初の週が1日134億ドル、先々週には329億ドルとなっており、着々と借入額が上昇している傾向が見られている。 米連銀は米金融機関の金融システム流動性を支援するために、先月17日に新貸付けプログラムを開始した。米連銀は投資信託会社に対して初めて中央銀行からの一時的な直接融資を許可したことになる。同じようなプログラムは米商業銀行に対しては過去数年間にわたって利用されてきた。 現在米連銀は1930年代以来もっとも広範囲にわたる金融機関に対して直接融資の貸付けプログラムを展開している。米連銀による緊急貸付け機関は、米金融市場の動乱により伝統ある米証券大手ベアー・スターンズが破たん寸前に追い込まれたことを受け緊急に設置された。 米連銀による投資信託会社への貸付け機関は商業銀行への「ディスカウントウインドウ」と同じような意味合いをもっている。米商業銀行も米連銀のディスカウントウインドウを通じた借り入れ額を増している。4月2日締めの一週間での商業銀行による借り入れ額平均は1日70億ドルに上っている。これはその前の一週間の一日の借り入れ平均額5億5千万ドルをはるかに上回っている。なお、米連銀からの緊急借り入れを行っている商業銀行・投資信託会社の具体的名は公表されていない。 これらの米連銀による広範囲の金融機関に対する緊急貸付け措置に対し、米民主党議員らからは国民の税金がリスクにさらされているとの批判もなされている。これに対しバーナンキ米FRB議長は、米金融システム全体が崩壊するのを回避するための必要策であるとし、「我々の最終的な懸念事項は米経済と一般国民生活の健全性にある」と述べた。 3日には米連銀が米投資信託会社へ250億ドルのオークションを行った。オークション入札者は0.16%の金利を支払うことになる。米連銀によるこのようなプログラムは金融機関を支援し、住宅ローン市場を回復させることを目的としている。先月27日から開始したオークションで、米連銀は2,000億ドルもの資金を金融機関に供給させることを目的としている。米連銀による貸付けプログラムによって投資信託会社各社が互いに貸借し合える流動性が高められることが期待されている。