ここから本文エリア えっカードが保険証なの?2008年04月04日
■後期高齢者医療制度スタートしたが・・ 「保険証が届いていない」という問い合わせが県内の各自治体に殺到している。75歳以上を対象にした医療保険「後期高齢者医療制度」の4月からのスタートにあわせ、3月中旬から下旬にかけ、各自治体から新しい保険証が郵送された。だが、今までの三つ折りタイプではなく、裏をラミネート加工した紙製のカードのため、保険証と気付かずに捨ててしまった人が多かったらしい。(棟形祐水) 新しい保険証は縦5・4センチ、横8・6センチ。被保険者番号や住所、氏名、性別、生年月日などが記入されている。約3万6千人が加入する奈良市ではこの新しい保険証を3月14日に対象者に郵送した。だが、4月になってこれまでの保険証を持って病院に行き、「新しい保険証を出してください」と言われ、「?」と戸惑う高齢者が相次いだ。 市には連日、「保険証なんて受け取っていない」「なぜ制度が変わったのか」など200件を超す電話が殺到し、窓口の福祉医療課の5台の電話は一日中パンク状態に。他の課の職員に応援を頼まざるをえない状況になっている。3日も朝から窓口が混雑したため、急きょ、順番を待つ人のためイスを10席用意した。担当者は「カードを郵送した際に新制度について説明したパンフレットを同封したし、広報や広告でも周知に努めた。それなのに十分浸透していなかったようだ」と疲れ切った様子。 市は新しい保険証を紛失しても、古い保険証や免許証などの身分証明書と印鑑を市の窓口に持ってくれば、その場で再発行している。すでに再発行は約120件に達した。3日、市役所を訪れた男性(80)は心臓が悪いため毎日通院している病院で、これまでの保険証が使えなくなったことに初めて気付いた。「まさか保険証がこんな薄っぺらなカードとは。幸い私はすぐに再発行できたが、足が悪く市役所に行きにくい人は大変」とため息を漏らした。 橿原市でも1、2日に数十件の問い合わせがあり、再発行は3日までに9件あった。生駒市でも1日午前中に、担当の国保年金課の電話が一時パンク状態となり、再発行も約10件あった。 運営主体の県後期高齢者医療広域連合によると、保険証は従来サイズも選択できたが、県内はカードタイプで統一した。「全国各地でカードに変える動きがあり、流れに乗った」と説明するが、「文字が小さく、高齢者はこれが保険証と気付かないのかもしれない」と反省気味だ。 マイタウン奈良
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