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TOP > インタビュー > 2008年3月 > サイボウズ・メディアアンドテクノロジー株式会社 > Vol.1 資金調達と出資、両サイドから見た事業計画とは
“事業計画”を読み解く 〜資金面のリスクヘッジ〜
サイボウズ・メディアアンドテクノロジー株式会社
土屋 継
 
   
Vol.1
資金調達と出資、両サイドから見た事業計画とは
 
 
 

今週はリサイクルワン社の木南代表取締役社長にお話を伺った。




 
資金面から見た事業計画について

同社に限らず、様々な経営者の方にお話を伺っていると、共通項のようなものがある。
その1つが先週のコラムで取り上げた人材のことであるが、他には筆者が今週コメントしたような「閾値」に関する事柄である。
振り返って考えると「●●●がビジネスの転換であった」というコメントの部分である。その時点では気づかず、後から振り返ってということではあるのだが、この閾値のポイントが何度も書いてきたように重要なのである。

筆者だけなのかもしれないが、今まで見てきた事業計画の中で、当初の事業計画通りのスピードで事業が進むことは滅多にない。つまり、当初の想定時間よりもはるかに時間がかかってしまうということである。筆者の感覚で言うと、3倍から4倍の時間はかかっているように思う。
したがって、多くの場合、当初の想定通りのキャッシュインが実現できずに、途中で資金を調達する結果になるのだ。これは、言い換えれば、最初から資金計画をかなり余裕を持って作成していく必要があることを意味しているのと同時に、固定費カバーの別のビジネスを手当しておく必要があるのである。なかなかこういった観点を当初から持つことは難しい側面もあるものの、やはりリスクヘッジ策として重要であろうと思う。

一方で、資金の出し手にも同様のことが言える。ここで言う資金の出し手とは、いわゆるベンチャーキャピタルであったり、事業会社であったりするのであるが、こちらも見方が甘いと思う。
新規事業の事業計画の正確性など、そもそも求めにくく、計画通りに推移することなどほとんどないのである。にも関わらず、計画通り推移していないこと自体を理由に事業推進者を責めることが多いのである。もちろん、計画があってこそ、資金を投入しているのであって、その理由は正当なものであるとも言えるが、そこにはリスクがあるから投資なのであって、運用ではないのである。
資金を出す側にも閾値に達するまでのタイムフレームを理解する姿勢が一層求められると思う。

しかしながら、こういったスタンスや考え方の最も大きな根本原因は、おそらくシナリオが描けないことなのだと思う。
当初から双方、いくつかのシナリオを持ってコンセンサスを得ておけば、話は全く変わってくるであろう。そしてこのシナリオ形成の合意の過程こそ相互理解のプロセスでもあるのだ。
今後は、こういった新規事業推進側とそれを支える資金拠出者との関係性が当たり前の状態になるぐらい、新規事業開発に関わるマインドやスタンスが成熟することを筆者は強く望んでいる。




土屋 継
(サイボウズ・メディアアンドテクノロジー株式会社代表取締役社長)

代表者略歴
1996年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了(MBA)。
米国戦略コンサルティングファームA.T. Kearney、オートバイテル・ジャパン事業開発部長、独立系コンサルティングファーム、フリーランス戦略コンサルタント、国内初のTLO株式会社ダイマジック取締役を経て、現職。
現在、株式会社クレメンテック取締役株式会社エンサイツ取締役株式会社fonfun監査役グランドデザイン&カンパニー株式会社取締役CCRE株式会社顧問を兼任。



 
 
 


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