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【社会】

負担増える小児救急医療 名古屋市が「検討会」

2008年4月4日 朝刊

 名古屋市は、現場の負担増で悲鳴が上がっている小児科の救急医療体制を見直すための「検討会」を今月中旬に発足させる。市の病院局や医師会、愛知県病院協会、名古屋大、名古屋市大も参加する見込み。

 全国的な小児科医不足に加え、本来は重症患者のための「二次」の病院に、軽症患者まで安易に押し寄せることが背景にある。東海地方では三重県松阪市が実施している「一次」に当たる開業医らの「紹介状」がなければ患者を受け入れない仕組みや、軽症患者には受診料を上乗せすることも検討する。

 現状は、公立と民間の計24病院が輪番で夜間や休日の医療を引き受けている。しかし現場の負担が増す一方で、市立病院の輪番回数や市からの補助金の少なさからも不満が続出。月14回の輪番を引き受けていた名古屋第一赤十字病院長は、体制が改善されなければ5月以降は4回に減らすなどと先月、市に通告していた。

 同病院長で県病院協会の小林陽一郎・救急小委員会委員長は「最近はまるでコンビニに行くかのような感覚で病院を利用する患者もいる。本来は入院か緊急手術を要する患者向けの二次病院の現場は疲弊している」と話した。

 

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