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朝日新聞がカンボジア大虐殺を「優しい」と評した――証言者の死で蘇る記録

2008/04/03 10:50

 

この3月末、アメリカのニュージャージー州の病院で、一人のカンボジア系米国人男性が65歳の波乱の人生を終えました。
以下の記事の人物です。  

ディト・プラン氏(映画「キリング・フィールド」のモデルとなったカンボジア出身のジャーナリスト)AP通信によると、30日、膵臓(すいぞう)がんのため米ニュージャージー州の病院で死去、65歳。

 米紙ニューヨーク・タイムズのシドニー・シャンバーグ記者の助手兼通訳として、カンボジア内戦などを取材。75年のポル・ポト
派のプノンペン攻略でシャンバーグ記者が国外に逃れた後、ポル・ポト政権下の圧政を生き延び、79年にタイに脱出し同記者と再会。

 この間の2人の体験を描いた84年の英映画「キリング・フィールド」はアカデミー賞3部門を受賞した。カンボジア脱出後は米国に移住し、同紙のカメラマンとして働いた。


キリング・フィールド、つまり、ポル・ポト政権による自国民の大虐殺については、もうあえて書くまでもないでしょう。なにしろカンボジア国民100数十万人がこの政権の「原始的共産主義」の実験のために、殺された事実はもう公然の史実となっています。

私自身はこの虐殺の起き始めたころ隣国の南ベトナムにいて、ベトナム戦争の最終場面の報道にあたっていました。しかしカンボジアで大迫害、そして大虐殺が起きているらしいことは、かなり早い段階から多方面からの情報で感じていました。そしてその一端を報道しました。
ポル・ポト派が首都プノンペンを制圧したのは1975年4月17日のことです。

ポル・ポト派は75年4月からの数年間、もの凄い大虐殺を続けました。
最初にアメリカの政府がそれを発表し、アメリカのメディアも報道し、日本でも少しずつ情報が流れ始めました。私もその報道を始めた第一陣に入っていたことは、いまではささやかな誇りに思っています。

そんななかで、「ポル・ポト派の革命は虐殺や殺戮はない」と報道していたメディアがおそらく全世界の大手でも唯一つ、存在しました。わが朝日新聞です。
ポル・ポト派の革命は「アジア的な優しさ」があり、「粛清の危険は少ない」というのでした。現実にはカンボジア国民全体の5分の1にもあたる170万という男女が殺されていたのです。

以下の朝日新聞のその歴史的な記事のコピーを貼り付けておきます。
朝日新聞の主張、価値観、そして軌跡を知るうえで、貴重な資料といえましょう。

なおこの写真はポル・ポト派に虐殺された人たちの骨です。ほんのごく一部ですが。


 



MIX






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コメント(29)

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2008/04/03 11:45

Commented by パンダマン さん

これは凄いですね・・・

 
 

2008/04/03 11:54

Commented by ni0615 さん

古森義久さん
こんにちは

クメールルージュがプノンペン入城したのは1975年4月17日だそうですね。
そのとき、若き古森義久さんがサイゴンから入稿した記事も是非画像で拝見したいものです。

また、その日以前に、
>そしてその一端を報道しました。
の記事も拝読できれば幸いです。

クメールルージュによる大虐殺が明るみに出たのは、その後か成り立ってのことかと記憶しています。まったく酷いものです。

しかし、日本の報道機関は毎日新聞を含めて1975年4月17日には気がついいてはいなかったように記憶しています。当時それを知りえなかったことを悔いたジャーナリストはいたと思いますが、プノンペン入城時までにそれを報じた日本人記者がいたとは初耳です。

当時毎日新聞に在籍していた古森さんなら、現物をお示しくださると思いますので、御願い申し上げます。

 
 

2008/04/03 11:59

Commented by scottsdale さん

初めて現物見ましたが、これ記事なんですか?
内容以前にどうみてもコラムですよね。

 
 

2008/04/03 12:05

Commented by やせ我慢 さん

誰がなんであろうと、朝日新聞のこの記事は消えない。

 
 

2008/04/03 12:16

Commented by ni0615 さん

古森義久さん
追伸です。

いわゆるカンボジア大虐殺とは、 

>翌年の1976年、シアヌーク派を排除して民主カンボジア政府が樹立し、ポル=ポト首相が就任すると同時に、強制労働キャンプ同様のサハコーが作られました。ポル=ポト政権による虐殺はそのサハコー体制のもとで本格化するのです。住民は旧人民と新人民に分けられ、1977年後半には、多くの地方で新人民全員の殺害が始まりました。その年の末には旧住民の虐殺が始まり、虐殺は無差別化するのです。

1975年4月に起きていた大虐殺とはどのようなものですか?
古森さんが1975年に、翌年以降の事件を予言した記事なら、是非とも拝見したいものです。

 
 

2008/04/03 12:24

Commented by 夏空 さん

まさに、「赤い報道」ですね。
これ以上の捏造記事は、めったに見られないでしょう。

 
 

2008/04/03 14:42

Commented by yachihoko さん

お疲れ様です。

ひどい報道ですね。

もし、新華社がこんな報道をしたとしても、自由主義国家では許されないのに。

よりによって、憲法にて、報道の自由が保証されている日本で、こんな報道が出るのですね。

さすが、第二赤旗といわれるだけあります。

 
 

2008/04/03 14:44

Commented by やまかんむり さん

この記事(?)を書いた和田俊記者は、久米宏のニュース番組でコメンテイタしてましたね。

本田勝一の記事は、この上を行きますね。 同じ対象を取材しても読売新聞と朝日新聞でこうも違うのでは、伝統と言うべきでしょう。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/nagai_vs_honda.html

 
 

2008/04/03 15:42

Commented by unimaro さん

お疲れ様です。
「和田俊」で検索しましたが、あたったのは一発ぽっきりな記事ようですね。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/wada750419.html
ここに
"クメール=ルージュによる大量処刑を「全くウソだった」と 断 定 した 本 多 勝 一 記者の記事にくらべ、和田記者は「陰険な粛清は起こらないのではあるまいか」と希望的観測を述べたに過ぎない。"
とあります。
「書かされた」臭い、とも見えるかもしれません。
しかも、あとあと冷や飯を食わされているのか、表にでるような記事は見当たりません。
ご本人に聞いてみたいものです。

 
 

2008/04/03 15:45

Commented by unimaro さん

でっ”!上のコメントに「TVでコメンテーター」とありますね。失礼しました!私のコメントは忘れてください!!w

 
 

2008/04/03 16:31

Commented by hanausagi さん

古森さん

朝日の記事ははじめてみましたが、嘘と捏造、これは酷い。改めて「怒りが爆発」します。

北朝鮮を「地上の楽園」といったのもこの類でしょう。謝罪と訂正は、ナイでしょうね。

 
 

2008/04/03 16:41

Commented by staro さん

なんだ、また4/1が誕生日のni0615が徘徊しているのか
本当に暇な奴だな
みずほちゃんの御用聞きは閑職らしいな(藁

 
 

2008/04/03 19:25

Commented by temple さん

古森記者、こんにちは

あれっ、「キリング・フィールド」のディス・プランは、とっくに死んでいたのでは?と思いました。

96年に殺されたのは、ディス・プランを演じたハイン・S・ニョールで、本物のディス・プランはまだ生きていたんですね。

ハイン・S・ニョール自身が、教育を受けた人間(医者だった)で、ディス・プラン同様の実体験があると聞いたので、混同していました。


福田・高村コンビは、朝日新聞と同じ過ちをチベット問題で繰り返しそうで不安です。それにしても高村外相が事件直後、事実確認ゼロ状態で「ボイコットしない」と発言したことは、日本人としてたいへんショックでした。

 
 

2008/04/03 22:21

Commented by セアラ小太郎 さん

古森さん、こんばんは。

これはもうほとんど何と言うか、相手の出してきた草稿(文案を)をそのまま書いたといっても過言ではないですね。

解放軍兵士と政府軍兵士が抱き合って・・・や解放勢力指導者の「身の安全のために早く逃げろ」と忠告・・・の件なんかは"作文の匂い"がプンプンします。

 
 

2008/04/03 23:00

Commented by suguru726 さん

カンボジアにおける大虐殺の初期の報道を検証した本がある。

山田寛 『記者が見たカンボジア現代史25年』
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/kisha-ga-mita.html
以下、引用 詳細な採点表(?)は当該ページを参照のこと
―――――――――――――――
まず、表のA、B欄の数字が少なすぎる。日本語というハンデを割り引いても、私の記憶する限り、この時期のポル・ポト政権虐殺関係記事で、外国のマスコミに転載された例はない。ましてや、ルモンド紙などのように外国(米国)議会の審議用資料になった例もなかった。それだけ、独自取材とか力のこもった調査報道が少なかった、ということである。それでも、とにかく自前の告発報道として、私は次の五つをAの範躊に入れた。

七八年三月と六月の朝日の本多勝一記者の原稿。ベトナムのカンボジア国境に飛び、脱出してきたカンボジア難民たちの証言を集めたものだ。次に七八年九月初め、読売の私が書いたタイ・カンボジア国境の難民収容所ルポ「粛清のカンボジアを逃れて」。さらに読売・小倉貞男記者のベトナム・カンボジア国境での難民取材記事「やっと死を免れた」。

そして毎日の古森義久・ワシントン特派員が、米、英、カナダ三政府のそれぞれのカンボジア国内情勢報告書を入手し、それをまとめて七八年十二月下旬に三回にわたって連載した記事である。だが、これらの記事も現れたのがいかんせん遅すぎる。もっともっと、七六、七七年の段階から欲しかった。
――――――――――――――――

75年4月の段階で虐殺を報道している新聞はない。
本多勝一氏の報道は日本の新聞社のものでは最も早い。
古森氏の報道は本多勝一氏のものより遅い。ソースは外国の政府発表である。

75年4月には古森氏もご自分ではなーんにも知らなかった。
要するに「朝日憎し」で和田氏の記事にケチをつけてたいだけ。

 
 

2008/04/04 01:08

Commented by 古森義久 さん

パンダマン さん

この誤報は凄い。
さらに凄いには、「ポル・ポト革命は本当にアジア的に優しく、殺戮もなかったのですか」という質問、つまりこの朝日新聞記事のミスを指摘して、当事者としての意見を尋ねても、一切、知らんぷりをしてきた、ことだと思います。

 
 

2008/04/04 01:10

Commented by 古森義久 さん

scottsdale さん

この記事はニュース解説の記事だといえます。
ふつうのコラムとは違いますね。
ニュースをまっすぐに追いかけています。

 
 

2008/04/04 01:14

Commented by しゅん さん

当時インターネットがあったら、何人の命が救えただろうか?
今インターネットがなかったら、チベットでは、あと何人死んでいただろうか?
ご紹介頂いた記事を拝見していて、そんな暗澹たる気持ちに苛まれました。

朝日新聞は、リベラルとか、左翼なんて生易しいものではなく、
極左なんです。
彼らのプロパガンタは、人を殺す。
彼らの在日外国人の通名報道は、犯罪者を隠蔽し、
日夜、強姦による罪もない日本人女性の被害者を生む。
正に万死に値する犯罪者集団ですね。

記事に因んで、当時古森さんが活躍された毎日新聞にして見ましたが、
http://mainichi.jp/select/seiji/primeminister/news/20080403mog00m010012000c.html

「まあ、オリンピックのことはね誰もね、オリンピックは中止になることを期待しているわけじゃないでしょ。世界中のアスリートたちがこれはもう期待して、みんなねえ、それを目がけて4年間頑張ってきたわけですからねえ。簡単にやめてしまうというのは、そういう方々の気持ちを考えれば、とても考えられないことですね。ですから、そういうことにならないように中国政府もこの問題に対応して欲しいということでありまして、そういうふうに努力をしている最中にですね、わが国からオリンピックに参加するとかしないとか、言うべきではないし、そういうふうに参加しないとか言っている国も限られている。ましてや日本と中国、こんなに近い関係にあるわけですからね。まあ、そういうことも含めて総合的に冷静に、我々も冷静に判断しなければならない。そう思いますよ。どうですか。」

繰り返しますが、
「努力をしている最中にですね、わが国からオリンピックに参加するとかしないとか、言うべきではないし、そういうふうに参加しないとか言っている国も限られている。」
媚中ここに極まれリ。

朝日新聞も、彼も、きっと幼稚なんでしょうな。
知性の欠片も感じらない。

 
 

2008/04/04 01:15

Commented by 古森義久 さん

やせ我慢 さん

朝日新聞にこれほどの歴史的ともえいえる誤報が載っているという事実は消えませんね。

朝日信者や朝日当事者(?)はその事実に一切、触れず、この事実を改めて指摘する私の記事がああだ、こうだと話題を必死でそらすというおなじみパターン、ここでみごとに展示されていますね。
朝日新聞の大誤報を論じさせないために、煙幕を張って、こんどは「大誤報」という漢字のどこかが間違っている、というような次元のヨタ話を持ち出してくるわけです。

 
 

2008/04/04 01:17

Commented by 古森義久 さん

夏空 さん

この種の「赤い報道」は私の共著「朝日新聞の大研究」にも山のように提示されています。

 
 

2008/04/04 01:19

Commented by やせ我慢 さん

To 古森義久さん
>朝日新聞にこれほどの歴史的ともえいえる誤報が載っているという事実は消えませんね。

チベット弾圧で、ダライ・ラマの中傷を行う中国と同じ手法です。
ダライ・ラマがなんであろうと、中国が虐殺国家である事は消えません。

 
 

2008/04/04 01:21

Commented by 古森義久 さん

yachihoko さん

このデマ記事の邪悪性は当事者の朝日新聞がその非を認めず、しかも書いた記者も一切、知らんぷり、それどころかテレビのコメンテーターになって、
また自分の「情報」や「意見」を連夜、発信しつづけたことでしょう。

ただしこの記者は個人的には人格温厚、他者にも親切で、私自身もプノンペンで彼の家の集まりに招かれたこともありました。しかしそのことを、この記事とは関係はないですね。

 
 

2008/04/04 01:25

Commented by 古森義久 さん

やまかんむり さん

上記のように、テレビでなお活動していた人です。
もう亡くなったので、個人的な非難を浴びせる気は、毛頭ありません。
私自身は個人として尊敬できる人だと思っていました。

問題視するのは、あくまで朝日新聞が掲載したこの記者の記事の内容であり、その内容の大錯誤をさんざん指摘されても、朝日新聞社も同記者も、
責任ある対応をしなかったという点です。

 
 

2008/04/04 01:28

Commented by 古森義久 さん

unimaro さん

この記者は朝日新聞でも、確か「欧州総局長」にもなっています。
テレビ出演を除いても、「冷や飯」という感じはうかがわれません。
要するに社内的にはこの大誤報の責任を問われることはまったくなかった、ということでしょうか。

 
 

2008/04/04 01:31

Commented by 古森義久 さん

hanausagi さん

国際情勢の読みで、こんなデマを載せる新聞がいまもなお国際情勢の読みで、わが日本国に対し、ああしろ、こうしろ、と説教をしていること、
私も怒りを感じることもありますよ。

 
 

2008/04/04 01:34

Commented by 古森義久 さん

staro さん

一定のテーマになると、徘徊を始める方々の動きは、おもしろいですね。
一定の香りの煙をたくと、地面の穴から一定のプロパガンダ獣が出てくる、という感じです。

 
 

2008/04/04 01:36

Commented by 古森義久 さん

temple さん

映画に出たニョール氏は確か、強盗に殺されたんでしたよね。
彼の悲報を読んで、呪われたような人生だと感じた記憶があります。

 
 

2008/04/04 01:37

Commented by 古森義久 さん

セアラ小太郎 さん

かつてカンボジア特派員だった人が東京に戻ってから、東京にいて、書いた記事だと思います。

 
 

2008/04/04 01:39

Commented by 古森義久 さん

suguru726 さん

ではあなたは朝日新聞に載った和田記者のこの記事が正しかった、というのですか。
この点への自分の立場を明記してくださいよ。
その点に触れないで、関係のない方向に議論を持っていこうと必死ですね。

 
 
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2008/04/03 13:14

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