福岡県筑前町で06年10月、いじめを苦にして自殺した中学2年生、森啓祐君(当時13歳)がこの春、生きていれば卒業式を迎えたことから、遺族が3日、福岡市中央区の西鉄グランドホテルで思い出の写真などを展示する「卒業式」を開いた。遺族は「卒業式を一緒に祝い、啓祐が残したメッセージに耳を傾けてほしい」と話している。
展示するのは、子供のころからの写真約70点や、全国から送られた千羽鶴などの品物、遺品数十点。生後半年の節句に写した写真は、白いよだれかけを付け黒目がちの瞳でレンズの向こうを見つめる。両親が一番好きな写真だ。
亡くなる2日前に購入したシャツとTシャツは、袖を通さないままだった。「来年の夏に着よう」と一回り大きいLサイズを選んだ。
母美加さん(37)は「いとおしく、大切に育てたわが子が13年間しか生きられなかった。なぜそうなったのか、同年代の子供たちが感じ取ってくれたら」と話している。【高橋咲子】
毎日新聞 2008年4月3日 18時35分(最終更新 4月3日 18時46分)