医師法21条の改正を明記

 厚生労働省は4月3日、診療行為などに関連した死亡の原因を調べる制度(死因究明制度)に関する第3次試案を公表した。異状死の警察への届け出を医療機関に義務付ける医師法21条の改正や、病院の説明に納得しない遺族からの相談を受け付ける体制の整備などを盛り込んでいる。試案に対する国民からの意見募集も同日、スタートした。

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 第3次試案は、手術ミスや誤った投薬などで患者が死亡した場合に事故調査に当たる「医療安全調査委員会」(仮称)の在り方、遺族と医療機関との関係、行政処分、捜査機関との関係などを第2次試案よりも詳細に示している。

 第3次試案によると、調査委への届け出が必要な医療事故の範囲を明確化・限定した上で、医療機関の管理者からの届け出を制度化するとともに、医師法21条を改正し、医療機関が調査委に届け出た場合には同条の「異状死」としての警察への届け出を不要とする。

 また、遺族からも調査を依頼できるルートをつくり、医療機関が遺族からの調査依頼の手続きを代行することも可能にする。

 厚労省医政局の二川一男総務課長は記者会見で、捜査機関が調査委の調査を尊重することについて、法務省や警察庁などと調整済みであることを強調。「委員会でしっかり調査することを条件に、捜査機関に待ってもらう」と述べ、調査委による調査の実効性を確保する必要性を訴えた。

 一方、調査委への届け出が必要と医療機関が判断したにもかかわらず届け出を怠ったり、虚偽の届け出をしたりした場合には、適切な届け出を担保できる体制の整備を行政処分で科す。二川課長は「処分後に再び違反した場合は許し難い」と強調、こうしたケースについては刑事罰の対象になる可能性も示した。

 調査委の目的は、「医療死亡事故の原因究明・再発防止を行い、医療の安全を確保すること」とした。医療の専門家を中心に、法律関係者や「その他の有識者(医療を受ける立場を代表する者等)」で構成する。

 ※ 意見募集はこちら。
   http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?OBJCD=100495


更新:2008/04/03 21:54     キャリアブレイン

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08/01/25配信

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