朝鮮王室儀軌返還求め、福田首相に陳情書提出
【ソウル3日聯合】朝鮮王室儀軌還収委員会は3日、「朝鮮王室儀軌」の返還を求める陳情書を日本の福田康夫首相あてで2日に提出したと明らかにした。同委員会に所属する在日韓国人の弁護士が首相官邸の官房長官室を訪問し、陳情趣旨を説明した上で文書を提出したという。
委員会側は、「朝鮮王室儀軌」の返還はすでに韓日の外務次官級会談で公式な話し合いが行われたことが確認されていると説明。日本が1991年に当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領の訪日を機に、朝鮮王朝最後の皇太子妃だった故李方子(イ・パンジャ、りまさこ)さんの礼服を返還していることに触れ、今回も韓日友好発展のために迅速な決断が下されるものと期待を示した。
陳情書提出の橋渡し役をした日朝協会の渡辺貢代表理事は、文化財は原産国にあってこそ光り輝くものだと述べた。特に儀軌は韓国の歴史と深い関連を持つだけでなく、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記録遺産リスト「世界の記憶」に登録されるほど高い価値を持つ文化財であり、韓国への返還が新たな韓日関係を開く足がかりになることを願っているとした。
日本の宮内庁が所蔵する「朝鮮王室儀軌」は、朝鮮王朝時代の王室儀礼を絵や文で記録したもので、「明成皇后国葬都監儀軌」など72種に及ぶ。1922年に初代朝鮮総督・寺内正毅が宮内庁に寄贈した。国内では返還に向け2006年から仏教界を中心に発足された還収委員会が活動しており、同年12月には通常国会で「朝鮮王室儀軌返還促求決議案」が採択された。