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東京地検:精神鑑定の専門検事を配置 全国初

 被告の刑事責任能力が公判段階で否定されるケースが相次いでいることを受け、東京地検は1日、特別公判部(特判部)に精神鑑定の専門検事を配置した。裁判員制度の来春導入を見据え、精神鑑定について高度な知識を持った検事を育成し、法廷で効果的な立証を行うのが狙いで、全国初の試み。

 当面2人の専門検事を置き、過去の事件での精神鑑定をデータベース化し、情報を一元管理する。新たな事件で精神鑑定の必要が生じた場合、どの専門家に鑑定を依頼するか適切に判断できるようにし、検事自身でも病名などを判別できるよう専門的な知識を深める。

 従来は、捜査段階で容疑者の責任能力を判断する必要が生じた場合や、公判段階で裁判所が精神鑑定を認めた際に、各事件の担当検事が専門家を探して依頼していた。

 精神鑑定をめぐっては、夫を殺害したとして殺人罪などに問われた三橋(みはし)歌織被告(33)の公判で、検察と弁護側が請求した鑑定医2人がともに心神喪失状態だったと認定。妹を殺害したとして殺人罪などに問われた武藤勇貴被告(22)の公判でも、鑑定医が「遺体を損壊した際は心神喪失だった」と報告している。

 ある検察幹部は「これまでは、被告の精神状態を適切に分析できない鑑定医に依頼してしまった例もあった。今後はこうしたことがないよう、検事自身も精神鑑定について勉強をしなければならない」と話している。【伊藤一郎】

毎日新聞 2008年4月1日 11時42分

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