──趣味は被害妄想。かたわらには包帯を巻いたテディベア。入院患者の格好でマラカスを振り回し、「ヒットエンドラ〜ン」と叫ぶ異能の女芸人、鳥居みゆき。
見てはいけないものを見てしまった気にさせる、“狂気がかったコント芝居”と、まったく先の読めない、そして異常に頭の回転が速いフリートークは、一度ハマったら抜け出せない禁断の笑いの世界。
テレビでは「マサコ」をはじめとするキャラが憑依して（？）摩訶不思議な言動が多い彼女だが、時おり不意にもらす笑顔から想像するに、

「素顔はとってもかわいらしい女子なのでは？」

そう考えたMouRa取材班は、4月23日にリリースするＤＶＤ『鳥居みゆきハッピーマンデー』のヒット祈願で新宿・花園神社を訪れていた彼女を直撃！　テレビで見るよりもさらに華奢（きゃしゃ）で可憐な印象の彼女に、インタビューを敢行。MouRaの歴史上、前代未聞の“ライター泣かせ不条理インタビュー”が始まった。はたしてその素顔とは？

「ブレイクする」とはすなわち「ポップ」。
「ポップ」すなわち“ハッピーターンの粉”！

──いつも裸足（はだし）で寒くないですか。

鳥居　私の足、愚鈍なんですー。フフフーッ。

──（無言）……。それではインタビュー、よろしくお願いします。

鳥居　ソツなくこなしま〜す。

──先月の「R-1ぐらんぷり」では決勝に進出されましたが、惜しかったですね。

鳥居　“勝負に勝って試合に負けた”っていう感じですかねー。

──このところすごい勢いで注目度が上がっていますけど、「ブレイクしている」という実感はありますか。

鳥居　私、ブレイクしてる？　全然してないじゃないですか。（両手で髪をかきむしって）ブレイクしているのは頭だけですよ。





──鳥居さんとしては、本当のブレイクはまだまだこれからという感じなんですか。

鳥居　これからは地下に潜りますよ。

──えっ!?　もう地上はいいんですか。

鳥居　JRとか嫌い。私、前は大江戸線だったじゃないですか、それが南北線になって、今は銀座線ぐらい。

──だんだん浮上してきているから、アンダーグラウンドに戻りたいと。

鳥居　アンダーグラウンドって……。アングラとか、カルトとか、ヤンデレとか、カッコよくないと思う。

──（しばし無言）……。鳥居さん、“ヤンデレ”なんですか？

鳥居　え？　ヤンデレってなんですか。

──今、ヤンデレっておっしゃいましたよね。（註：ヤンデレ＝精神的に病んだ状態にありながら恋人などには愛情を示す人）

鳥居　知らなーい。

──そうですか……。鳥居さんはよくご自分の芸風を「ポップでベタ」っておっしゃってますが。

鳥居　私ほどポップでベタな芸人はいませんよ。こんなスマートな芸風、他にいますか？　フッフー。これで優勝したら賞金の12万でユニットバスの広いところに引っ越します。

──これって？　何の大会？

鳥居　これですよ、これ（おそらく、この取材のことを指す）。フフフーッ。

──……？？？　……鳥居さんの言う「ポップ」とはどういう意味ですか。

鳥居　“万人受けする”ってことです。ハッピーターンの粉みたいなものですよ。

──確かに最近、あちこちで鳥居さんに関する記事を見ます。表紙にもなっている雑誌「サイゾー」では、コントの衣装とは大分イメージの違うかわいらしいワンピース姿で登場されていましたね。

鳥居　でもあれ、笑顔はひとつもないですから。

──別の雑誌（学習研究社「お笑いTV LIFE」）では、両手でハートマークを作っている写真も拝見しました。

鳥居　あれは、（両手の指先を合わせて輪を作って）こうやって“気”を集めようとしていたんですよ。そうしたらハートみたいな形になっちゃって。それで顔がかゆくなって、顔をしかめたら頬が引きつって笑顔みたいになってしまったんです。その写真を使われました。いやですね。

──かわいらしいイメージで見られたくないと。とはいえ、本当におきれいですね。

鳥居　バカにしてるんですか。

──とんでもない！　ただ取材する側としては、きれいな人に会って、きれいだなと思ったらそのことを読者に伝えたいと思います。

鳥居　バカにしてますよ。こういうことって「十人十色」（じゅうにんといろ）じゃないですか。

──「十人十色」？

鳥居　「十人十色」っていう言葉知らないの？　あ、タメ口になっちゃった。すぐつけあがるもので、すみません。「十人十色」って知らないんですか。……私、「カニが最強だ」と思っているんですよ。

──カニですか。

鳥居　でもみんな「エビが最強だ」って言うんです。だから私、人の言うことは信じません。昔、太ってた頃も「かわいいかわいい」って言われてたけど、そんなのウソじゃないですか。もう、何も信じません。

──ご自分についての記事などは、一切見ないそうですね。

鳥居　はい。特にネットなんか大嫌い！　ネットって何でもアリじゃないですか。

──我々はネット媒体なんですけど（苦笑）。

鳥居　あらためて、ネットなんか大嫌い！

──（無言）……テレビはいかがですか。出演番組はご覧になりますか。

鳥居　見ないです。テレビ持ってません。でもＴＢＳの『あらびき団』だけは見ちゃいました。まんが喫茶でザッピングしてたら、ウマが合っちゃったんですよ。「何、このあらびきな人？」って思って見たら私でした。ポップの意味をはき違えてました、私。

──テレビもネットもあまり見ないとのことですが、ニュースはお好きなんですよね。コントやトークでもたまに時事ネタや政治ネタを取り入れていらっしゃいますし。

鳥居　えっ私、政治ネタ言ってますか？　もしかしたらサブリミナルで入っているかもしれませんけど。

──テレビでは放送できないでしょうけど、連合赤軍ネタとか。

鳥居　何を言ってるんですか!?　あぶいなー。

──それからラジオでの、小泉元首相のワンフレーズや演技がお笑いに通じるという発言や、小渕元首相が平成の年号を発表した時のパフォーマンスを「めくりネタ」と呼んでいたのも印象的でした。

鳥居　そうですか。ニュースは好きです。シンブンシ……あ、後ろから言っちゃった（笑）。新聞はよく読みます。

──新聞は取っているんですか。

鳥居　駅で拾います。あと、路上で寝ている人にかぶさっているのを奪ったり……。

──ああ、なるほど……。今後MouRaは、エコに関する企画にも力を入れていこうと思っているんですけど、話題になっている「地球温暖化」についてはどうお考えですか。

鳥居　冬は寒いし、夏は暑い。

──（ズコッとして）それはそうですけど。

鳥居　実家の母親から「京都議定書が送られてこない」っていう電話があったんです。「あんたのところには届いた？」って聞かれたんですけど、うちにも来ていないんですよねー。おかしいなあ。

あと、母親からはストッキングが送られてきました。毛玉がついていて明らかに既に履いたやつなんですけど。それから靴も送られてきました。「なんか最近、靴が流行ってるらしい。靴が、今アツイ」って。

──はあ、靴が流行ってる……。え、鳥居さん!?

＜つづく＞

★【鳥居みゆき特集　世にもキケンなインタビュー】はまだまだ続きます！　

第２弾は、コチラから！

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●ＤＶＤ情報

ＮＥＷ　ＲＥＬＥＡＳＥ！

『鳥居みゆき　ハッピーマンデー』
発売：2008年４月23日
販売元:Contents League
価格：2940円（税込み）
収録時間：約60分（本編＋特典映像）

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★読者の皆さんへ、スペシャル動画メッセージ！（全34秒）

★鳥居さんのネタ動画が見たい人は、「ＧＥＩＮＩＮ☆１週間」へＧＯ！

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●プロフィール

鳥居みゆき
1981年3月18日生、秋田県出身。見た目とのギャップと、芸のインパクトで、現在人気急上昇中。趣味は般若心経、瞑想、歯石除去、被害妄想という、いろんな意味で近寄りがたい美女。
ＴＶ、ライブなどで活躍中。映画 『全然大丈夫』出演。サンミュージックプロダクション所属。レギュラーに、無料インターネット番組GyaO「鳥居みゆきの社交辞令でハイタッチ」などがある。
事務所主催の「ＧＥＴライブ」にも出演。４月は14日（月）と15日（火）の２日間開催。チケット売り切れ間近、急いで！

（取材・文／海田恭子、撮影／殿村任香、動画編集／高松義明、構成／奈良岡崇子）