中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 福井 > 4月3日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【福井】

ガソリン値下げ、福井は無風なぜ? 暫定税率失効

2008年4月3日

価格据え置きのガソリンスタンドの看板=福井市内で

写真

 暫定税率の期限切れで全国的にガソリン価格の引き下げが進む中、県内は数店を除きほぼ全域で現状維持という現象が起きている。課税された在庫の処理が済めば個々の店の判断で下げられそうだが…。

 「みんなが(価格維持を)“頑張ってる”のに、よそ者があんなことをする」。敦賀市内のスタンド店主が吐き捨てた。大阪市に本社がある滋賀県境のスタンドが1日に25円分を引き下げたためだ。

 「多少はお客さんが流れているが、仕方ない。周辺も4日までは追随しないと思う」と店主。多くの県内スタンド関係者が「嶺南4日、嶺北5日」という値下げスタートラインを口にしている。

 石油情報センター(東京)によると、レギュラーガソリン価格の全国平均は1日に前日比10・7円下落して142・2円になった。福井県は3月31日の153・2円からほとんど下がっていないとみられる。

 加盟組合から値下げ状況を聞き取りしている全国石油商業組合連合会も「どの都道府県でもまだら模様ながら値下げが進みつつある。ほぼ無風という状況は、福井以外に見当たらない」と明かす。

 県組合は理由を「直売と卸を合わせると、地場の大手3社が県内シェア(市場占有率)の半分以上。ほかのスタンドは大手に右ならえになるケースが多いため」と推測する。

 業界関係者は「長距離トラックが主な顧客のフリート系や元売り系列外のプライベート系といった異端のスタンドが福井にはほとんどない。基本は仲良しなのだから、あうんの呼吸も成立しやすい」と“解説”した。

 嶺北地域の小規模スタンドは1日から、お得意さまだけに22円分を引き下げていた。店主は「課税済みの在庫はほぼ売り切ったし、安いガソリンも3日には入ってくる。経営が厳しいのは確かだが、実際の内情はそういうところもあるんじゃないかな」と笑った。

 (渥美龍太、川本光憲)

 

この記事を印刷する

広告