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【社会】

楳図さん『紅白ハウス』吉祥寺に完成 閑静な住宅街 見物客続々

2008年4月3日 07時08分

赤白の外観が目を引く楳図さんの新居=武蔵野市で

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 赤白横じま模様の外壁のデザインが景観を壊すとして、訴訟にまで発展している漫画家楳図(うめず)かずおさんの新居が吉祥寺に完成した。週末には多くの見物客が詰め掛け、閑静な住宅街はちょっとした観光スポットに。近隣住民からは「景観より治安のほうが心配」と困惑の声も漏れる。 

 井の頭公園近くの高級住宅街に姿を現した楳図さんの新居は、当初の設計通り、トレードマークである赤白横じま(幅六十センチ)の外壁。二階には白いバルコニー、屋根には楳図さんの漫画のキャラクターを模したという真っ赤な円筒状の出窓がある。

 「かわいい」「思ったより地味」「景観を壊すほどではない」。紅白ハウスに理解を示す見物人は比較的多く、記念撮影に興じていた若いカップルは「自分の家の隣に造ってほしいくらい」。一方、子どもと散歩中の近所の女性(25)は「隣に建てられたら嫌。落ち着かない」と批判的だった。

 見物人は後を絶たず、中には車を路上駐車する人までいて、数軒先に住む主婦(58)は「見物人が増えることで、治安やごみの問題が心配」と顔を曇らせる。工事差し止めを求めて訴訟中の周辺住民は、今後は赤白の外壁の除去を求めていく方針だ。原告側の長谷川健弁護士は「住宅というよりモニュメント。想像以上にひどい」と訴える。

 これに対し、楳図さんは「限りなくイメージに近く、いい出来」と満足そう。「この家は私の作品。赤白を変えるつもりはない」と言い切った。(中沢誠)

(東京新聞)

 

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