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受動喫煙、糖尿病リスク8割増 厚労省調査

2008年04月03日00時53分

 他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙で、糖尿病になるリスクが8割ほど高くなることが、企業の従業員を対象とした厚生労働省研究班(主任研究者、上島弘嗣・滋賀医科大教授)の調査でわかった。受動喫煙でがんやぜんそくのリスクが高まることは知られているが、糖尿病との関連を示した研究は珍しい。

 調査は関東、近畿、北陸地方の12の事業所に勤める19〜69歳の男女で、糖尿病でない約6500人に実施。99〜00年に職場の喫煙環境のほか、体格や運動習慣などを聞き、04年まで追跡した。この間、229人が新たに糖尿病になった。

 自分は吸わないが、職場でたばこの煙を浴び、とても不快に思っている人を「受動喫煙あり」と定義。喫煙歴がなく、受動喫煙もない人たちが糖尿病になるリスクを1として比較すると、受動喫煙がある人たちのリスクは1.81倍だった。肥満の有無や運動習慣など、糖尿病のかかりやすさに関連するほかの要因は影響しないように調整した。

 喫煙者本人ではがんや動脈硬化などのほか、糖尿病のリスクを高めることもすでに報告されているが、今回の調査では自分自身が吸っている人のリスクは1.99倍だった。

 喫煙で糖尿病になりやすいのは、糖を処理するインスリンをつくる膵臓(すいぞう)の働きが悪くなったり、インスリンが出ても効きにくくなったりするためと考えられている。調査をまとめた京都大の林野泰明講師(臨床疫学)は「糖尿病を防ぐ観点からも、職場の分煙環境の整備が重要。もっと大切なのは、喫煙者を一人でも減らすことです」と話す。

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