それでは、各製品とその人気状況を紹介しよう。人気については、中国のIT系ポータルサイト「中関村在線」の同サイト利用者を対象としたリサーチ結果を引用する。

洗濯機や冷蔵庫が強いハイアールの白物家電

ドラム型洗濯機「陽光麗人」(画像クリックで拡大)

冷蔵庫「08オリンピック光変頻3ドア冷蔵庫」。内部に光を当てることで食べ物の鮮度を保つのだそうだ(画像クリックで拡大)

同社のエアコン「08オリンピック風」(画像クリックで拡大)

同社の電子レンジ「オリンピックシリーズ―聖火2008」。北京五輪ならではのネーミング(画像クリックで拡大)

 ハイアールはすべての白物家電において強いかというと、そうでもなさそうだ。中関村在線の統計によれば、洗濯機と冷蔵庫では、中国で展開する全メーカーの中で最も高い注目度を得ているが、エアコンでは3位となっている。つまり中国において「洗濯機や冷蔵庫といえばハイアール」という認識が一般的であるようだ。なるほど、同社が日本で洗濯機や冷蔵庫を展開するのもこういった結果のためなのか……。

 だからといって、中国の大手家電チェーン店の「国美」や「蘇寧」などで、洗濯機や冷蔵庫などのハイアール製品の売り場面積が特別大きいというわけではない。筆者が見る限り、他メーカーと同程度の販売面積となっている。

 人気の洗濯機や冷蔵庫だが、同社のラインアップの多くは付加価値を付けた5000元(約7万5000円)あるいはそれ以上、下手すれば1万元(約15万円)近い価格帯となっており、決して「中国メーカー=安い」とは言い難い。北京や上海など高所得な地域ですら、多くの人々が月給でこれらを買うことができない。しかしこのような付加価値のあり、値段の高い製品を販売し、人気が出るというのは興味深いところだ。

 ちなみに日本勢では、松下電器産業が洗濯機で4位、エアコンで5位、冷蔵庫で9位にランクイン、三菱電機がエアコンで4位、三洋電機が洗濯機で8位という結果になっている。