【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)各国はチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を招き、外相レベルで会談する方向で調整に入った。EU議長国スロベニアのルペル外相らが1日に明らかにした。EU各国はチベット騒乱に絡んで中国政府の対応を強く批判しており、中国とチベットの対話を促すためにダライ・ラマとの会談を進めるとみられる。
EU加盟国の仏クシュネル外相は1日のラジオ番組で「EU加盟27カ国の外相はダライ・ラマを近くブリュッセルに招待するだろう」と語った。スロベニアのルペル外相も「加盟国での調整が必要だが(ダライ・ラマの招へいは)実行可能な案だ」と会談の検討を認めた。
両外相は具体的な会談時期は明示しなかったが、ダライ・ラマが5月に英国を訪れるタイミングでEU本部のあるブリュッセルに招く案が浮かんでいる。EUは3月末の外相会合で、中国政府にチベットとの「実質的で建設的な対話を進めるよう求める」という文書を採択している。(16:03)