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【ゆうゆうLife】医療 地域で守る救急搬送(下)産科医不足 (4/4ページ)
昨日、救急搬送を減らした成功例として紹介した川崎市も、周産期の救急搬送では「昨年、市内で約80件の搬送依頼があったが、市内で受け入れられたのは8件のみ」という状態だ。
原因の一つについて、中田雅弘・市医師会理事は「本来、緊急対応すべき病院が正常分娩に手を取られてしまっている」と分析する。このため、市は、市内に残る11の診療所と8つの助産所の活用に乗り出した。
特に、助産所は今年4月から、嘱託医と嘱託医療機関をそろえることが開業の必須条件。いずれの助産所も引き受け手探しに難航していたが、先月、市と市産婦人科医会の協力で助産師と産科医が話し合い、開業の条件を満たすことができた。
中田理事は「産科医不足は依然大きな問題だが、地域でできることは立場をこえて協力すべきだ」という。
神奈川県救急医療中央情報センターの金井信高・副センター長は「こうした連携が、市内はもとより市外、県外に共通したシステムとして広がれば、ある程度、救急搬送のシステムは維持できるのではないか」と話している。