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【ゆうゆうLife】医療 地域で守る救急搬送(下)産科医不足 (3/4ページ)
神奈川県産婦人科医会は、分娩を扱う医療機関は平成14年に71病院と103診療所だったが、29年には64病院と42診療所となり、約1万人の妊産婦が行き場を失うと試算する。
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分娩場所が減り、残った病院に分娩と救急搬送が集中し、激務で病院を去る産科医が増える悪循環。
神奈川県では従来、基幹病院の医師が、救急の妊婦の受け入れ先探しを行っていた。しかし、危機的な産科医不足を少しでも打開しようと、県が昨年から、救急医療中央情報センターで周産期の救急も引き受けるようになった。
救急搬送を要請する場合、医療機関はまず、地域内の基幹病院に連絡。基幹病院が受け入れられなければ、センターが受け入れ先探しを引き継ぐ。昨年4月からの約9カ月間に489件の妊婦について搬送相談を受け、321件の受け入れ先を平均約40分で見つけた。残る168件は、基幹病院が引き受けるなどした数だ。県外搬送は58件と、前年に比べ、大幅に減少した。
県医師会の近藤正樹副会長(産科医)は「搬送先を探すために、電話に張りついていた医師の負担が軽くなり、搬送先が早く見つかるようになった」と評価する。
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