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【ゆうゆうLife】医療 地域で守る救急搬送(下)産科医不足 (2/4ページ)

2008.4.3 08:11
川崎市は、救急搬送の負担軽減のため、比較的軽度の患者からの救急相談を行なっている=川崎市の救急医療情報センター    川崎市は、救急搬送の負担軽減のため、比較的軽度の患者からの救急相談を行なっている=川崎市の救急医療情報センター    

 しかし、すでに午前零時を過ぎ、公共交通機関は動いていない。タクシーに乗れば、約1万円かかる。産科医は「分娩を扱う医療機関が減り、救急搬送で送り込む先もどんどん遠くなっている。この先、どうなるかと思うと暗澹(あんたん)とします」ともらす。

 最近この医師のもとに外国人女性が救急搬送され、出産した。いわゆる、妊婦健診を受けていない“飛び込み分娩”。後日、分娩料を支払いに来るといったきり、消息不明となった。

 神奈川県産婦人科医会の調査では、こうした飛び込み分娩は、一昨年から昨年にかけてほぼ倍増。救急搬送を圧迫する要因の一つになっている。また、不妊治療の普及で早産や未熟児の多い多胎妊娠も増えた。高齢出産の増加で、緊急度の高い分娩も増加傾向。搬送を受け入れる病院側は常にいっぱいで、搬送の約1割は東京、千葉、静岡へ運ばれる。

 「こんな状況では、救急搬送につながりかねない難しいお産は避けたくなる。実際、限界を訴える産科医仲間は多く、分娩をとらない診療所や病院は増えている」と冒頭の産科医は打ち明ける。

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川崎市は、救急搬送の負担軽減のため、比較的軽度の患者からの救急相談を行なっている=川崎市の救急医療情報センター    
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