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NetBIOS (Network BIOS)

【ネット・バイオス】

最終更新日: 2002/12/06

 1980年代前半に、IBM-PC用のネットワークアダプタのために開発された、ネットワークサービス用BIOS(Basic Input/Output System)のAPIインターフェイスのこと。OSI階層モデルでいうと、トランスポート層とセッション層のプロトコルに相当するサービスが提供されている。Windows 95/98やWindows NT、LAN Managerなどを始め、パソコン用のネットワークサービスのAPIとして広く普及している。

 NetBIOSは、もともとは、IBMとSytekがPC Networks(PC-DOS 3.0をベースに、ネットワーク機能を付加したOS)のために開発したネットワークアダプタ上に実装されていたBIOSのインターフェイスである。NetBIOSを呼び出すことにより、2つのコンピュータノード間で、セッション指向もしくはデータグラム指向の通信を行なうことができる。アプリケーションでは、NCB(Network Control Block)というデータ構造体にNetBIOSのコマンドとそのパラメータをセットし、NetBIOSインターフェイスを呼び出すことによって各種のネットワークサービスを受けることができる。NetBIOSでは、通信先の相手ノードは16バイトの名前(NetBIOS名)によって識別される。そのため、異なるノードに対して、同じNetBIOS名を付けることはできない。

 混同されやすいが、NetBIOSは通信プロトコルの規格ではなく、ネットワークサービスを呼び出すためのAPIの規約である。NetBIOSでは、APIの呼び出しインターフェイスだけを決めており、物理的なネットワーク媒体やその上でやり取りされるパケットの構造については決めていない。NetBIOS APIの呼び出しの規約さえ合っていれば、下位のトランスポート層プロトコルを問わない。そのため、現在ではイーサネットやTokenRingのほか、TCP/IPやIPXなどのような他のプロトコルの上にも実装されている。

NetBIOSインターフェイス
NetBIOSインターフェイス
NetBIOSは、トランスポート層やセッション層のネットワーク・サービスを呼び出すためのAPIインターフェイス。下位ネットワーク・プロトコルとしては、NETBEUIやTCP/IP、IPX/SPXなどが利用される。TCP/IPをベースとするものを特にNBT(NetBIOS over TCP/IP)という。

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