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2008年4月3日

 パンに、うどんに、みそ、しょうゆ。値上げの春を実感する四月入りだった。原料の小麦粉と大豆の高騰がその背景にあるという

そのまた後ろには、バイオ燃料増産のためトウモロコシ畑が増え、その分だけ小麦や大豆の作付けが狭まっている現状がある。となれば元凶は石油高騰にあるとも言え、話はエネルギー問題から暫定税率廃止にまで拡大してややこしい

小麦が高騰なら、あまり気味のコメの出番と思うが、そうは問屋が卸さない。コメの消費は減る一方で、わざわざ白米を粉にした米粉で「コメパン」を焼くと子どもたちが食べてくれるというから、瑞穂(みずほ)の国も厄介なことになった

先日、北電社長が「原子力は銀しゃり、コメ(白米)みたいなもの」と原子力発電の再開を、のどから手がでるほど待ち望んだ心境を語った。戦後の食糧難と代用食を知る世代には分かり易い例えだが、何とその直後に運転ストップである。せっかくの銀しゃりが泣いている

瑞穂の国の主食はコメか麦か、産業界と国民生活の主食は火力か原発か。「つくり手」がしっかりしないと消費者の胃袋は安定しない。


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