きょうから四月。各地で入社式や入学式が行われるなど、人生の節目を感じさせる月である。
新生活に向け、希望に胸を膨らませる人も多いだろうが、福田康夫首相にとっては憂うつが一段と深まる月になりそうだ。ガソリン価格に上乗せされている揮発油税などの暫定税率が三月末で期限切れとなり、四月からガソリンが一リットル当たり約二十五円安くなる。
今後は一度下がった価格を首相が再び元に戻すかどうかが大きな焦点になる。暫定税率の維持を盛り込んだ税制改正法案は二月二十九日に衆院を通過したが、参院では野党の抵抗で審議入りさえできなかった。
首相はきのうの記者会見で、暫定税率復活の意向をあらためて表明した。場合によっては衆院で再議決する方針は変わらないようだ。そうなれば民主党は参院に首相問責決議案を提出し、衆院解散に追い込むと揺さぶりをかける。
国会から目が離せないが、国民にとっても大切な月ではないか。ガソリン値下げを喜ぶのは理解できる。再議決による値上げに反発する気持ちも分かるが、大幅な税収減にどう対応するのか。
福祉や教育など道路整備以外にも使える一般財源化の是非も重要なテーマだ。ガソリン価格の動向に一喜一憂せず、道路づくりの在り方も含め冷静に考えを深める月にしたい。