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「靖国」大阪で5月上映 「映画館を議論の場に」

2008年04月03日02時26分

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館「第七芸術劇場」が5月に予定通り上映することを決めた。同館は地元商店主らが出資する96席の市民映画館。松村厚支配人は「見たい人がいるなら提供するのが役目。映画館を議論の場にしてほしい」と話している。上映は同月10日から7日間の予定。

 「靖国」は、靖国神社に参拝する戦没者遺族や軍服姿の若者らをナレーションなしで撮影した中国人監督の作品。トラブルや嫌がらせを警戒した大阪、東京の5館が3月末までに相次いで上映中止を決めた。大阪で唯一の上映先となった第七芸術劇場には、中止しないよう求める電話やメールが相次いだという。

 社会派作品を多く扱ってきた松村支配人は「客観的に靖国をとらえている」と作品の感想を話し、「靖国がある東京はもう少し踏ん張ってほしかった」と話している。

 一方、5月中の上映に向けて日程を調整していた名古屋市千種区の映画館「名古屋シネマテーク」は、同月中の上映を先送りすることになった。「上映するかどうかも含めすべて検討中」と話している。捜査当局によると、同館には政治結社から上映を見合わせるよう要請があり、2日までに話し合いをしたという。

 この問題について、社民党の福島党首は2日の記者会見で、超党派の国会議員に呼びかけ、ドキュメンタリー映画「靖国」の自主上映を検討する考えを示した。福島氏は「日本の表現の自由の危機だ。全力を挙げておかしいと言う」と語った。

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