免許返納でバス1年無料 登米市、初日は3人手続き

市職員から「あしがるくん」を手渡された佐々木さん
 高齢ドライバーの交通安全意識を高めようと、宮城県登米市は1日、運転免許証を自主返納した高齢者に、市民バスの1年間無料乗車券を交付する支援事業を始めた。同様の取り組みは県内自治体で初めて。関係者は「運転に自信がなくなったら、事業を活用してほしい」と呼び掛けている。

 事業では、65歳以上の対象者が、居住地を管轄する警察署に免許証を返納し「申請による運転免許の取消通知書」を受け取る。各総合支所地域生活課に、申請書と証明写真とともに提出すれば、顔写真入りの無料乗車券「あしがるくん」が即日交付される。

 ほかに地元の交通安全協会から感謝状が贈られ、希望者は身分証明書にもなる「住民基本台帳カード」の取得費用(500円)も無料になる。

 初日は市迫総合支所で70―80歳代の男女3人が手続きした。
 登米市迫町の農業佐々木栄市さん(82)は「1960年3月に免許証を取った。旧登米郡で最も早い方で思い入れはあるが、年を取って運転はもう危ないと思った。大きな事故を起こさず、ほっとしている」と話した。

 佐沼署によると、同市の居住人口に占める高齢ドライバーの割合(2007年)は17.1%と、県平均の12.6%を上回る。交通事故死者のうちの高齢者の割合も06年に57.1%だったのが、07年は75%と増加傾向にある。

 市は「高齢化の進行に対応し、交通安全対策と地域の交通環境の整備を進めたい」と話している。
 返納支援事業についての連絡先は市民生活課市民総務係0220(58)2118。
2008年04月02日水曜日

宮城

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