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【政治】

ガソリン税、期限切れ 首相、地方財政手当て指示

2008年4月1日 朝刊

4月1日の暫定税率期限切れに合わせ「税金分値下げ」を告知する張り紙を出したガソリンスタンド=31日午後10時56分、愛知県豊田市で(谷沢昇司撮影)

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 ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率が4月1日午前零時で期限切れになった。ガソリンにかかる税金が1リットル当たり約25円下がる。道路財源の暫定税率は1974年の導入以来、延長が繰り返されてきたが、失効したのは初めて。福田康夫首相は31日夕記者会見し、影響を最小限に抑えるため「必要な措置を講じる」と述べ、ガソリンの安定供給、地方への財政面の手当てなど緊急対策に全力を挙げる考えを示した。

 首相は「心よりおわびする」と陳謝。「2008年度は政府案通り暫定税率維持が重要」との談話を出し、4月末にも衆院で再可決し税率を元に戻す方針。暫定税率の復活に反対する野党との攻防が激化するのは必至だ。

 各都道府県では道路整備事業を一部凍結する動きが相次ぐなど、地方財政への影響が拡大。額賀福志郎財務相は、暫定税率期限切れに伴う自治体の歳入不足には「国の責任で適切な財源措置を考えていく」と明言した。

 4月1日から一部のガソリンスタンドが値下げ販売に踏み切った一方、3月末までに仕入れた在庫がなくなるまで値下げを見送るスタンドもあり、販売価格は当面まちまちの状態が続く見通し。

 価格が安いスタンドに客が殺到して品切れとなったり、無理な値引きでスタンドの経営が悪化したりする恐れがあるため、経済産業省は業界団体に安定供給を要請、中小業者の資金繰り支援などの対策も取る。

 総務省は、ガソリンを買いだめしないよう消費者に呼び掛けた。

 道路財源ではほかに、トラックが主に使う軽油にかかる軽油引取税も1リットル当たり約17円軽減される。購入時に納める自動車取得税は、自家用車の場合、税率が取得価格の5%から3%になる。

 暫定税率が2008年度いっぱい廃止されると、国は約1兆7000億円、地方は約9000億円、計約2兆6000億円の歳入不足となる。暫定税率を含む税制改正法案は、参院送付から60日が経過する4月29日以降に衆院で再可決できる。

 一方、土地売買の際の登録免許税の軽減など、ガソリン税を除く租税特別措置の効力を5月末まで2カ月間延長させる「つなぎ法」は31日午後、参院本会議で採決され、与党と民主党などの賛成多数で可決、成立した。

 

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