第80回記念選抜高等学校野球大会

 

智弁和歌山

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春の主役たち:智弁ナインの素顔/7 /和歌山

 ◇「チーム一泣き虫」--森本祥太捕手(2年)

 「僕はチーム一の泣き虫です」。そう言って笑う愛きょうのある性格で、先頭打者と捕手を務める要。昨秋の近畿大会準々決勝・天理(奈良)戦で、三回から急きょマウンドに立った林孝至投手(2年)に駆け寄り、ほおにキス。「緊張してたんで、和ませたんです」。林投手も「びっくりしたけど、あれでいつもの自分に戻れた」。好投を引き出し、試合後はうれし涙を流した。「頑張っている姿とかに弱いんです」

 課題は配球。「答えないですからね、難しい」と悩むが、「甲子園で上位に入ったチームの捕手は、『配球が分からん』と言って泣いてます。思い切ってやってほしい」と高嶋仁監督は見守る。

 有田川などで釣りをするのが趣味。「釣れるまでの過程で、どう攻めるか考えている時間が好き。野球でも釣りのように、狙い通りに相手打者を抑え込んでいきたい」

 ◇悔しさ乗り越え--岡本瞬投手(1年)

 181センチ、62キロのすらりとした長身から繰り出す速球と大きなカーブの切れが増し、この冬で頭角を現してきた。「体をうまく使えるようになりました。仕上がりは順調ですよ」と高嶋監督もその成長に目を細める。

 昨秋の新人戦準決勝・貴志川戦で、公式戦初登板を果たすが、1回も持たずに降板。それ以来、マウンドに上がれていない。「人生最悪の日だった。緊張していて、相手にまっすぐを狙い打ちされた。できるならもう一度あの日に戻って投げて、周囲からの信頼を取り戻したい」。その一念で、フォームの修正に明け暮れ、下半身強化のために走り込んできた。

 チーム内に投手は6人。「仲間ですけど、やっぱり負けたくない。タイプが違うしいいところも違うから、吸収できることは吸収していきたい」。悔しさを乗り越え、たくましさを身につけた。

毎日新聞 2008年2月19日

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