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米議会、大統領の五輪出席に圧力 出席禁止法案上程
【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領の北京五輪開会式への出席問題で、下院を中心とした米議会からボイコットを迫る圧力が高まり始めた。与党・共和党政策委員長のマコッター下院議員は1日、大統領ら政府職員の開会式出席を禁じる法案を上程した。また、超党派の議員グループが大統領への書簡で出席中止を要求したほか、同日結成された「チベット議員連盟」も出席の差し止めを当面の活動目標とすることを明らかにした。
下院では、ペロシ下院議長(民主党)が五輪出席を再考するよう大統領に求めたほか、政府職員の出席を禁じる決議案も提出されている。下院改選を11月に控え、米世論の支持を集めやすい中国批判、チベット擁護の声が、大統領の五輪出席を軸に強まる情勢だ。
マコッター法案は、チベット騒乱への弾圧やスーダンでの人権抑圧に中国が関与したことを理由に、「中国で開催される08年夏季五輪開幕式への連邦政府職員の出席を禁じる」などの内容だ。禁止対象には公選による特別職が挙げられるなど、事実上、ブッシュ大統領の出席差し止めを狙った法案となっている。
新法案には、上程時点で6人が共同提案に加わった。「チベット議連」の結成を届け出たローラバッカー下院議員は、北京五輪をヒトラーの権威を高めたベルリン五輪(1936年)にたとえ、「似たような政権が主催する行事への米国の支持は誤りだ」として、やはり大統領の出席差し止めを活動の重点に掲げた。
一方、民主党のウオーターズ下院議員ら超党派の議員15氏も1日、大統領への書簡で、「自由主義陣営のリーダー」として、北京五輪への出席をとりやめるよう強く訴えた。