75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」の名称が福田康夫首相の指示で突如「長寿医療制度」に変更されたことについて、2日の与党社会保障政策会議では「長寿医療制度といわれても、何を意味するのかすぐに分からない」などの批判が相次いだ。また、同医療制度を運営する全国の広域連合からは「どちらの名称を使えばよいのか」といった問い合わせが厚生労働省に寄せられ、現場での混乱が広がっていることも明らかになった。
与党社会保障政策会議には自民、公明両党の厚生関係議員の幹部らが出席。厚労省の水田邦雄保険局長が「『長寿医療制度』は愛称で、制度のPRをするためのものだ」と説明したが、出席者からは「大変重要な話を事前に十分な検討もなく決めるのはおかしい」などの批判が続出した。
自民党の鈴木俊一社会保障制度調査会長は会見で「与党は何も相談されていない。名称も含めて極めて不満だ。私は使わない」と批判。公明党の福島豊社会保障制度調査会長も「名称問題だけでなく制度の意味を国民に理解してもらうことが肝要だ」と述べた。
与党からの批判を受け、厚労省は全国の自治体などに「『長寿医療制度(後期高齢者医療制度)』との記述にしていただきたい」との通知を出した。一方、首相は同日、首相官邸で記者団に「高齢者にとってよい制度だ。よいところを理解していただくようPRしなくてはいけない」と説明したが、与党内からも批判が出たことで新たな対応を求められそうだ。
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