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沖縄集団自決訴訟で原告側が控訴
先の大戦末期の沖縄戦で住民に集団自決を命じたとする誤った本の記述で名誉を傷つけられたとして、元戦隊長や遺族がノーベル賞作家の大江健三郎氏と岩波書店に損害賠償などを求めた訴訟で、原告側は2日、訴えを棄却した先月28日の大阪地裁判決を不服として大阪高裁に控訴した。
判決は「自決命令はただちに真実と断定できない」としながらも、旧日本軍が集団自決に深くかかわったと指摘。「(命令の)事実については合理的な資料や根拠がある」と認定し、大江氏らが記述内容を真実と信じる相当の理由があるとして名誉棄損の成立を認めなかった。
これに対し原告弁護団は「判決は『軍の関与』という前提事実をもって隊長の関与を推認した。いわば推測に基づいて隊長命令説に相当性があるとしており、法解釈や事実認定の両次元で不当な判決だ」としている。