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児童買春・ポルノ:禁止法改正で自民・民主の議論本格化

 児童買春・児童ポルノ禁止法の改正をめぐり2日、自民、民主両党が相次いで実務者レベルの会合を開いた。自民党は18歳未満の男女を写したポルノ画像などを個人で収集する「単純所持」への罰則規定を設ける方針を決定。この日、本格的な議論を始めた民主党では、単純所持の規制について「捜査権の乱用につながる」との懸念も示された。法改正の必要性では両党とも一致しており、今後は接点を探る動きが出てくることが予想される。

 現行法は99年施行で、18歳未満を被写体とした性的刺激が強い画像やビデオを規制する。制作・販売▽販売・提供目的での所持▽ネットでの公開などが処罰対象だが、個人的に集める「単純所持」は処罰の対象外だ。単純所持を禁じていないのはG8(主要8カ国)では日本とロシアだけとされる。米国の規制強化要求もあり、公明党のプロジェクトチームも先月、単純所持を処罰対象に加える方針を固めるなど、与党内の法改正に向けた動きが活発化している。

 自民党は2日の「児童ポルノ禁止法見直しに関する小委員会」(森山真弓委員長)で、単純所持に罰則を設けることで一致した。捜査権乱用への懸念からこれまでは慎重に検討していた。迷惑メールでの画像の送り付けなど、本人が意図せずに所持した場合は規制対象から外す乱用防止措置を取ることを前提に、罰則設置を決めた。

 一方、民主党は「児童買春・児童ポルノ禁止法改正検討チーム」(座長・千葉景子参院議員)の初会合に先立ち、シーファー駐日米大使と同法改正問題で意見交換した。単純所持禁止の意義を訴えるシーファー氏に、千葉氏は「日本での捜査の実情を考えると危惧(きぐ)を感じる」と指摘した。初会合では小宮山洋子衆院議員が「参加者はみな、子どもを守りたいが、捜査権を乱用されては困る」と懸念を示した。

【田中成之、堀井恵里子】

 ■自民党がまとめた児童買春・児童ポルノ禁止法改正案の骨子案

・児童ポルノに関する禁止行為(製造、輸入など)に「(目的にかかわらない)所持」を追加

・「所持」の範囲は限定(「入手経緯が受動的で、保管していることを知らなかった場合など」を検討中)

・「所持」に罰則規定を設ける

毎日新聞 2008年4月2日 21時52分

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