EOCS/コンピュータソフトウェア倫理機構
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機構概要

コンピュータソフトウェア倫理機構 倫理規程

平成4年11月20日制定
平成19年6月14日改定
平成19年7月1日施行

(目的)

コンピュ−タソフトウェア倫理機構(以下『ソフ倫』)はその会員会社の販売するコンピュ−タソフトウェアの作品(以下ソフト作品)が、社会の健全なる娯楽として広く国民社会の支持と信頼を得て、新たな創作物、新メディアとして評価を受け、発展してゆくことを念願する。

また、『ソフ倫』会員各社はソフト作品の社会的な責任と共に青少年への影響力の重大性を深く自覚し、『ソフ倫』独自の自主的な倫理規程に基づき作品を制作し、表現の自由を守りながら倫理的水準の向上に全力を尽くしてその目的の達成に努めようとするものである。

(適用範囲)

本規程は、「ソフ倫」に加盟する会員会社の輸入、制作、及び日本国内において、発売、販売するソフト作品の内容描写、表現、タイトルならびに同梱される印刷物、パッケ−ジに対して適用される。

また上記作品の販売促進のための広告、店頭デモ及びその他の販促物に対しても同様に適用される。

(対象作品)

コンピュ−タハ−ドウェア上で動作する、表示、観賞を目的とするデ−タで構成されたソフトウェア著作物を指す。

(倫理規程の構成)

ソフ倫において、倫理規程の構成は一般原則を根幹として定める「制作基準」と販売対象者の年令に応じて禁止される事項の基準を定める「販売基準」からなる。

後者については、対象者の年令別に数種の基準を制定することができる。

但し、ソフ倫はソフト作品の傾向や社会文化の流動性を考慮し、随時必要とあれば当倫理規程の見直し作業を行うことができる。

(諸法令との関係)

ソフ倫は刑法を始めとした日本国内の関係諸法令を研究、整理し会員会社が遵法精神にのっとり、健全な制作活動を行うように指導する。

ソフ倫は各都道府県の青少年保護育成関係の条例を研究、整理し会員会社を指導する。

(倫理規程における一般原則)

  1. 国家、法および社会正義
    • 人種、民族、あらゆる国の習慣、風俗や国民感情を尊重する。
    • 民主主義の精神を尊重する。
    • 基本的人権を尊重し、特定の個人や団体の名誉を傷つけるような表現はしない。
    • 法と社会秩序、道徳を尊重し、法律で禁止されている行為については、その表現は慎重にし肯定的表現はしない。
    • 暴力、犯罪を肯定したり、軍国主義、戦争などを正当化しない。
    • 老人、幼児など社会的に弱者に当る人には思いやりを持った内容とする。
    • 身体障害者や知的障害者等の表現は極力抑制する。
    • 人命を軽視しない。
    • あらゆる職業を蔑視しない。
    • 特定の地域を中傷した表現はしない。
  2. 宗教
    • 信教の自由を尊重し、これを不当に中傷、愚弄、侮蔑、憎悪したりしない。
    • 宗教、宗教家、宗教儀式の尊厳を傷つけないように留意する。
  3. 教育
    • 教育者や未成年者の表現は極力抑制し、慎重にする。
    • 児童及び青少年の人格形成に資し、豊かな情操と健全な精神をそこなわないよう留意する。
    • 法律上、未成年に禁じられている行為を正当化しない。
    • 動物はこれをむやみに虐待しない。
  4. 家庭、性
    • 結婚及び家庭生活を大切にし、これを損なうようなことを肯定的に扱わない。

(制作基準)

制作基準とはソフト作品の制作において遵守すべき基準である。

留意点
    • いたずらに性描写のみを表現し、ストーリー、テーマ、展開、ゲ−ム的駆引き等の要素に欠けるものは極力制作しない。
    • 作品の制作に於ては裸体、セックスシーン描写に必要な場面の設定を工夫し性描写の必然性と展開方法、長さ、頻度、その累積効果等構成上のバランスには特に注意する。
    • ソフト作品の特異性に留意しシステム、シナリオ、テーマ、展開、ゲ−ム的駆引き、音響等創意工夫に努め、作品内容の充実と向上に努める。
    • 模倣されるおそれのある犯罪等を扱う内容については、犯罪を助長しないようにパッケージ等に犯罪になる恐れがある旨明記し、模倣すると犯罪になるおそれがあることを明記する。

当然のことながら、わいせつ物にあたるものは制作しない。

【技術的隠蔽処理について】
  1. 使用すべき技術的隠蔽処理の種類
    • 技術的隠蔽処理とは、モザイク、白ヌキ、マスク、物なめ、など男女性器を描かない(以下モザイク等と呼ぶ)ものを指す。
  2. モザイク等の最低条件
    • 完全にモザイク等として機能する(男女性器形状や結合部分が判別できなくなる)まで処理をする。

(販売基準)

販売基準とはソフト作品の区分販売において遵守すべき基準である。

会員会社はソフト作品毎に、その対象とする年令層を考慮した上で社会理念に適合した責任ある制作、販売態度が求められる。

また、会員会社はこのことに鑑み、それぞれのソフト作品を販売するに当って、以下の留意点に注目して社会理念および倫理規程の一般原則に照らし合わせて販売対象者を年令別に制限する。

留意点
    • 年少者に性的刺激を与えない。
    • 年少者に残酷・粗暴の刺激を与えない。
    • 年少者に模倣性を与えない。
年令別制限の分類
  1. 一般ソフト作品(一般)
    • 「制作基準」の範囲内で制作された、全ての年令層を販売対象者とする「18才未満者への販売禁止ソフト作品の判断基準」、「一般ソフト作品制限付(R指定)の判断基準」に該当しないソフト作品である。
  2. 一般ソフト作品制限付(R指定)
    • 「制作基準」の範囲内で制作されたソフト作品で、販売対象者を社会理念に一定以上の認識を持てる年令層に絞ったもので、その年令層は満15才以上を対象とする。
      具体的な事例は「一般ソフト作品制限付(R指定)の判断基準」に挙げる。
  3. 18才未満者への販売禁止ソフト作品(18禁)
    • 「制作基準」の範囲内で制作されたソフト作品で、販売対象者を社会理念に十分な認識を持てる年令層に絞ったもので、その年令層は満18才以上を対象とする。
      具体的な事例は「18才未満者への販売禁止ソフト作品の判断基準」に挙げる。

【禁止事項】

下記の事項は、表現出来ない、あるいは表現に条件のある事項である。

  1. 性行為の表現について
    • わいせつ物にあたる表現は一切しない。
    • 男女による性行為の体位の結合部分(性器)を直接描写するショット(フルショット、接写に関わらず)は、モザイク等の技術的隠蔽処理をする。
  2. 性器の表現について
    • 性器の直接描写はしない。
    • 隠しコマンドや裏技は性器及び性器内部の描写においては入れることは認めない。
    • 内部データとしても禁止されたデータを入れることは認めない。
  3. 性器愛撫の表現について
    • 男女の露出した性器を愛撫する直接描写は技術的隠蔽処理する。
    • 性器具等を使用して性器を愛撫する直接描写は技術的隠蔽処理する。
  4. SMやその他の表現について
    • 性器への愛撫や責め、あるいは浣腸等器物を使用する直接描写は技術的隠蔽処理をする。
    • 放尿、排泄等の直接描写も同様の技術的隠蔽処理をする。
  5. 幼児などいわゆる社会的弱者の人権を損なう内容を有するものは制作しない。
  6. 年令制限について
    • 18才未満者への販売禁止ソフト作品に実在する18才に満たない者を出演させてはならない。
    • 18才未満者への販売禁止ソフト作品において、性的行為・性的行為を連想させる裸体表現による人間および人間的なキャラクターの年令が18才未満であることを特定できる記述をしない。
    • 18才未満者への販売禁止ソフト作品において、18歳未満者が手に取りやすいパッケージにはしない。
    • パッケージの表紙や背に過度の露出などによる性的行為・性的行為を連想させる表現をしない。
  7. 同性愛(レズビアン、ホモセクシャル)の表現について
    • 同性愛についても、上記の男女間における性的表現と同様に技術的隠蔽処理する。
  8. 禁止事項の類似や同音異義等で、誤解を招く表現はその旨を作中で明らかにする。

【注意事項】

下記の事項は、表現について注意すべき事項である。

  1. 性行為の表現について
    • 恥毛の直接描写は過度な表現をしない。
    • アヌスおよび性器内部の描写は控える。
  2. 凌辱描写について
    • 凌辱、輪姦等、暴力が加重される表現は、婦女子への人権侵害や虐待感をともなう性的犯罪であるから取扱いには十分注意する。
  3. SMやその他の表現について
    • サディズム、マゾヒズム等の表現は粗暴性、残虐性などを伴うので、その責めや苦痛等、描写が過度にいたらぬよう特に注意する。
    • 汚物等の描写は卑猥、醜悪、嫌悪感等を与えるので、簡素な表現にとどめるよう注意する。
  4. 売買春はこれを肯定しない。
  5. 出産状況を表現した作品はいたずらに制作しない。
  6. 同性愛(レズビアン、ホモセクシャル)の表現について
    • 同性愛についても、上記の男女間における性的表現と同様で十分注意する。
  7. 近親(血続きの、直系および3親等以内の親族)相姦はその行為を描写した作品は過度な表現をしない。
  8. 死姦を表現した作品は過度な表現をしない。
  9. 獣姦もしくは性行為に類する獣姦を表現した作品は過度な表現をしない。
  10. 男女性器の音声による直接呼称、文章による直接呼称はしないようつとめる。
  11. 公序良俗に反しない作品制作をする。

【特記事項】

(注)この基準に定めがなく、著しく社会通念に違反するものはソフ倫の定める要領によって審議する。

※一般ソフト作品の判断基準

「制作基準」の範囲内で制作された、全ての年令層を販売対象者とする「18才未満者への販売禁止ソフト作品の判断基準」、「一般ソフト作品制限付(R指定)の判断基準」に該当しないソフト作品であり年少者(中学生以下、15才未満)の購入、鑑賞にも沿う物と作品と判断する作品をいう。
以下に具体的事例を挙げつつ、 一般ソフト作品(一般)の判断基準を示す。

【一般ソフトの基本概念】

一般作品のカテゴリーに含まれている作品で以下の項目に該当する作品を一般ソフト作品とする。

  1. 性および風俗について
    • 性行為を描写していないもの。
    • 一般に隠ぺいすべき習慣として認められる男女の肉体の一部または全体を表現していないもの。技術的隠蔽処理を必要としないもの。
  2. 法および正義について
    • 法と正義に反する行為を推奨しかねない表現をしない作品。
    • 暴力性、残虐性を主題として扱わないもの。
    • 暴力否定、暴力批判を意図するドキュメンタリーものやフィクションにおいて暴力性、残虐性の過度により、その主題が希薄となっているもの。
    • 作品内容上、正当性を持つと言えども過度の暴力を表現描写していないもの。
    • 暴力の行使に刺激性を付与させる表現を持たないもの。
    • 人格形成過程で、判断力未熟の青少年が、これらの作品によって、粗暴性、残虐性、もしくは犯罪等を誘発、助長され、その健全育成を疎外する恐れのないもの。
  3. 教育に関する表現について
    • その作品における未成年者、特に学籍にある者の行動が社会的理念に反していないもの。
※一般ソフト作品制限付(R指定)の判断基準

一般ソフト作品制限付(R指定)は本来、一般ソフト作品の範疇ではあるが、社会的通念に照らし合わせて年少者(中学生以下、15才未満)の購入、鑑賞に留意すべきソフト作品を総括する独自のカテゴリーとして「18才未満者への販売禁止ソフト作品」と「一般ソフト作品」の中間に位置づけられるものである。
以下に具体的事例を挙げつつ、 一般ソフト作品制限付(R指定)の判断基準を示す。

【一般ソフト作品制限付の基本概念】

一般作品のカテゴリーに含まれている作品で以下の項目に該当する作品を一般ソフト作品制限付とする。義務教育が終了した未成年者が購入鑑賞することを容認できる程度と位置づける。

  1. 性および風俗について
    • その主題が性に関係しているものであっても、一般に隠ぺいすべき習慣として認められる男女の肉体の一部または全体を表現したもの。
      ただし、技術的隠蔽処理を必要とする作品は該当しない。
    • 性行為の過程を表現しているもの。
      ただし、技術的隠蔽処理を必要とする作品は該当しない。
    • 性行為を示唆する内容についてはすべて和姦であるもの。
    • 18歳未満の者が性行為を行わないもの。
  2. 法および正義について
    • 法と正義に反する行為を推奨しかねない表現をもつ作品。
    • 暴力性、残虐性を主題として扱うもの。
    • 暴力否定、暴力批判を意図するドキュメンタリーものやフィクションにおいて暴力性、残虐性の過度により、その主題が希薄となっているもの。
    • 作品内容上、正当性を持つと言えども過度の暴力を表現描写したもの。
    • 暴力の行使に刺激性を付与させる表現を持つもの。
    • 人格形成過程で、判断力未熟の青少年が、これらの作品によって、粗暴性、残虐性、もしくは犯罪等を誘発、助長され、その健全育成を疎外する恐れがあり詳細、具体的にかつ過剰に表現し、著しく嫌悪感を与えるもの。
    • 未成年者の飲酒や喫煙など肯定的な表現はしない。
  3. 教育に関する表現について
    • その作品における未成年者、特に学籍にある者の行動が社会的理念に反しているもの。特に、その制作意図が社会的理念に適したものであっても、その内容が年少者に誤解される可能性を持つと判断できるもの。
【その具体的な例】
    • 飲酒、喫煙等は未成年の者がこれを行なう表現を含むもの。
    • 麻薬、覚醒剤、シンナー、または睡眠薬等の使用、および賭博やこれに類する行為を描いたもの。
    • 登場人物の悪意を感じさせる行動や発言を賛美、容認するもの。
    • 教職者や保護者に対して過度の暴力、悪口雑言を行使する表現に誘引性、模倣性を持つもの。
    • 青少年が、その空想性・非現実性を識別し得る内容、またはドキュメンタリーもの、手記を素材とした現実的な内容であっても、その一部の内容に性、粗暴、残虐の各項目に照らして過度に刺激性を持つもの。
【18才未満者への販売禁止ソフト作品の判断基準】

18才未満者への販売禁止ソフト作品とは社会的理念を育む過程にある年少者の育成・保護の観点から、留意すべき要素を含むものである。
以下に具体的事例を挙げつつ18才未満者への販売禁止ソフト作品の判断基準を示す。

  1. 性的表現について
    • わいせつ物にあたるものは審査作品に該当しない。
    • 性行為に至るまでの方法、過程、作業、感情を過度に表現したもの。
    • 性行為を示唆する文章・音声・効果音を単独または描写と絡めて使用し、過度に刺激的な印象を与えるもの。
    • その表現が露骨に性行為を連想させ、著しく低劣淫猥であるもの。
    • 一般に隠ぺいすべき習慣として認められる男女の肉体の一部を劣情刺激的に表現したもの。(男女からみの下半身、劣情刺激的な男女単独の下半身、劣情刺激的に表現された女性の乳房、露出過剰な着衣の表現、描写など
    • 作品内容の進行に沿わない、ゲーム性やストーリー性を無視した性的表現、女性の裸体描写に主眼を置いたもの。
    • 作品内容上、必要であっても男女による性行為の体位を直接表現している作品
    • 凌辱・輪姦または性的拷問等、性的暴力の加重を興味本意に描いた表現を含むもの。
    • 異常性愛のうち、SMおよび同性愛などを詳細・興味本意に扱ったもの。
    • 性器具および排泄物の表現を含むもの。
    • 美術作品絵画・劇画・出版物の写真・落書、その他無機物の性的描写部分を興味本意 に扱ったもの。
    • モザイク等の技術的処理を施す必要のある表現を持つもの。
  2. 反社会的な行為や犯罪表現について
    • 暴力団、暴走族、不良グループ等の反社会的団体や人物等を容認し、または賛美するもの。
    • 法律や社会道徳等を否認、あるいは揶揄したり、犯罪や反社会的行為を容認し、または賛美するもの。
    • 犯罪の手口を巧妙に、かつ刺激的に描写し、犯罪心、背徳的感情をあおり、著しく刺激するもの。
    • 犯罪、または反社会的行為の手口やその経過等を描写表現することで、その手段方法を教示する等の結果を招くもの。
    • 火器、銃器、刀剣刃物類、その他の凶器類、器物等を必要以上に使用し、また素手での過激な攻撃を以て殺傷場面等を詳細、具体的に表現し、著しく嫌悪感を与えるもの。
    • 殺人、強盗、婦女暴行、傷害、暴行、強制わいせつ等の場面を詳細、具体的に臨場感を持たせ表現し、著しく嫌悪感を与えるもの。
    • 自殺、自虐行為、事故、虐待、リンチ、拷問、解剖、外科手術、出産等の場面を克明具体的に臨場感過剰に表現し、著しく嫌悪感を与えるもの。
    • 生命の尊厳および死者の尊厳を否定するもの。
  3. 教育に関する表現について
    • 飲酒、喫煙等は未成年の者がこれを行なう表現を含むもの。
    • 麻薬、覚醒剤、シンナー、または睡眠薬等の使用、および賭博やこれに類する行為を詳細、具体的に描写し、これらの行為を容認したり賛美し、射幸心をそそったりする等、薬物依存心または好奇心をいたずらにあおるもの。
    • 少年少女、老人、心身障害者、動物等の弱者に対して暴力、悪口雑言を行使する表現に誘引性、模倣性を持つもの。

以上

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