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桜井よしこ氏の講演('05. 1. … (そのほか)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
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2005年1月15日 民主党神奈川県連主催の桜井よしこさんの講演の概要です。

日本では現在、文科省の官僚が大学から高校・中学校・小学校・幼稚園に至るまで、教育政策を机上で作っているが、大学・大学院の高等教育は中央政府が扱うとしても、幼稚園・小学校の教育については各地域の特性に合わせたものにすべきではないのか。
中央政府が担うべき課題は、外交・安全・治安対策などである。国家の基礎をどう作るのかというビジョンが求められている。民主党はまだ結党してから日が浅い。自民党は55年間政権を保持してまがりにも国家運営を行ってきた。そのノウハウはしっかり認めるべきである。民主党は内政面では強いが外交になると怪しい部分がある。

21世紀に日本に大きな影響を与えるのは中国と米国である。中国、米国と対等な関係を作ることが日本にとって重要だ。米中のせめぎあいを日本国民がどう受け止めるか。米国は外交政策に違いはあっても国益追求という点では民主党・共和党に差はない。

クリントン時代にジョセフ・ナイ国防次官補が日本は内包国であり日米安保条約を継続すべきだと言った。日本に危機が発生したときには米国が日本を守るが、米国に危機が発生しても日本に米国を守る義務はない。その見返りに、日本は米国に基地と金を提供する、というのが日米安保条約の基本内容。要するに、日本は米国のすねかじり息子である。ブレジンスキーは、日本が日米関係において政治的イニシアチブを握るのは米国国益に対して好ましくないと述べている。米中緊密化のためには日本はその谷間で沈んでいる方がよい。米中は戦略的パートナーであるということも言っている。ジャパン・バッシング(日本叩き)、ジャパン・パッシング(日本無視)という言葉もあった。

ブッシュ共和党政権になり、ブッシュは中国は戦略的パートナーではなく、戦略的パートナーは日本であると言った。そのために日本には憲法改正と防衛庁から防衛省への格上げが必要だとも言っている。日本が独り立ちするか、その用意ができているかが問われている。ブッシュ政権の中国包囲網の構築については、ライスがForeign Affairsという雑誌で論文を出していて、アジアでの戦略的バランスを中国が握ろうとしてることを述べている。

しかし、2001年9月11日のアルカイダの米国テロにより状況は一変した。このような変化に対して即座に大きく路線転換するのが米国の特徴である。それまで中国を潜在敵と見なしていたのを敵をテロに変えた。テロの対策をしながら中国と2面的に対抗するのは困難になった。

こうした状況で何もしないで大きな外交成果を上げたのがプーチンである。9.11の時にプーチンはブレアよりもシラクよりも先にブッシュへ電話をかけ、ロシアが対テロの戦いに対して米国に全面協力することを表明した。ブッシュはこれに狂喜し、ロシアの借金を帳消しにするとともに、ロシア国内でのユダヤ人の移動制限に対抗するジャニック・ジャクソン法を撤廃し、ロシアのWTO加盟を支援した。プーチンは電話一本で対米外交に成功した。

2002年9月17日に小泉首相が北朝鮮を訪問し、10月15日拉致被害者5人が帰日した。小泉政権は浮かれて即座に日朝国交正常化に入ろうとしたが、これが日本外交のうまくないところだ。ブッシュは表向きには平静だったが、裏では不快感を示し、翌16日には、アーミテージが橋本龍太郎に会って、核兵器開発など、北朝鮮は平壌宣言に違反するようなことをやっていると伝えた。

中国も外交がうまい。10月25日にはブッシュ、江沢民がブッシュの別荘で会談している。江沢民はテロ対策でアフガン・イラクへの対応に追われるブッシュに対して、中国が北朝鮮を抑えるから、米国は台湾の独立を支持するな、台湾に対する武器輸出をするなと圧力をかけたらしい。米国は台湾に関する20あまりの法律により、台湾への武器輸出をやめることはできない。しかし、ブッシュは、台湾の独立にagainstであると言った。

翌年のフランス、エビアンでのサミットでブッシュは胡錦涛と会談し、台湾の独立にoppositeすると言った。米中があまりに近くなると日本はどうなるか。現状の日米中はゼロサム・ゲームである。日本としては、1+1+1が3以上になるような日米中関係を目指すべきだ。

中国と日本とでは、戦後の歴史が大きく異なる。1949年に毛沢東、周恩来が蒋介石を台湾に追放して中華人民共和国が成立した。成立時に毛沢東は核大国になると宣言した。そしてチベットに軍を送って制圧した。インドとも国境紛争を起こした。ソ連ともベトナムとも国境を争った。1964年日本は東京オリンピックの成功に湧いていたが、中国では核実験に成功している。1970年に大阪万博開催時に中国は射程3000キロの長距離ミサイルの発射実験に成功し日本全土が中国のミサイル射程圏内に入った。1972年に日中が国交を回復したが、田中首相、大平外相にあまりに識見がなさすぎた。海洋権益、尖閣列島領有権問題などの懸案を曖昧にしたまま国交正常化を急いでしまった。外交交渉は個人の成果として賞賛されるべきものではなく、対北朝鮮についても、小泉政権が外交成果を求めるがゆえに歪めてしまうのは誤りである。

これに対して、冷戦構造の中で中ソの間の溝を狙って、米国が中国に接近し、キッシンジャーが中国に派遣された。1972年にニクソンが中国を訪問したが、米中で国交を樹立したのは1979年の民主党カーター政権のときであり、実に7年もかけて交渉を続けている。米中とも懸案を曖昧にしたままで国益を損なう恐れがある状態では国交を結んだりはしない。米中が国交を樹立するのに合わせて、台湾に武器を輸出し台湾非常時は台湾を防衛するという台湾関連の諸法が整備された。このときに、日本は台湾に椎名外相を派遣しただけに過ぎない。

1978年にとう小平が来日して日中平和友好条約が結ばれて中国への援助が始まった。そのときにとう小平は、尖閣を日中友好の妨げにしてはいけない、100年後に日中の緊密な友好が実現できたところで解決しようと言った。1987年には中国は海洋国家であると位置づけて海洋権益を守るために海軍を再編した。1992年に中国は南沙諸島などとともに尖閣諸島を中国領とする国内法を制定した。1992年には天皇訪中を実現しているが、日本が最高の外交カードを切ったときに、中国は春暁油田の開発、南鳥島周辺の海洋調査を行っていたのだ。

1972年の時点では、日本では誰も尖閣諸島の領有権を中国が主張するなどとは誰も思っていなかった。今では、中国は東シナ海のの大陸棚は中国のものだと言っている。この見方をとるなら尖閣列島だけでなく沖縄も全て中国領になってしまうだろう。

米国の軍再編が行われている。朝鮮半島、台湾からインドシナ半島、インド、中東までの不安定の弧はテロリストが羽を休める場所といわれている。米国の驚異の対象は明示的には北朝鮮、暗示的には中国である。軍再編においては、アジアでは日本、ヨーロッパでは英国を最も重要な国と位置づけ、韓国・ドイツの米軍の縮小が行われている。

こうした中で日本の進むべき道について。
自分もハワイ大学に留学した頃はコスモポリタンだった。国境のない地図、国家間でいたわり合うような世界を理想としていた。しかしベトナム人の学生に一笑に付された。戦後日本は経済的繁栄を達成したが、日本人は国家観を失った。領土、国民、安全保障、軍事力、警察、こうしたものが国家の基本だ。日米安保のダメなところは、日本が自分の足で立つことを忘れてしまうことだ。マッカーサーは日本を12歳の状態にしておくことを意図していた。

日米同盟を戦前の日英同盟のような対等な関係にするべきだ。一方が一国と戦うときには他方は中立を守る。一方が2国以上の国と戦うなら他方が助ける。これがベストだ。

日本の安全保障を考えるなら憲法9条改正は必要だ。9条を改正せず憲法解釈の変更で対応するという意見もあるがそうした曖昧なことはよくない。民主党の小沢、横路の国連待機軍構想には賛成できない。自衛隊は軍隊だが国連待機軍は軍隊ではないというようなレトリックは世界では通用しない。戦力なき軍隊はあり得ない。北朝鮮、台湾の有事の際にどうするのか。中国が関わってくるのに、国連の決議を得て国連軍を展開するような解決法は不可能だ。日本が自分の足で立つ必要がある。政治力だけでは外交はできない。軍事力は政治力を担保するものである。

米国では政権交代があるたびに政権内の官僚組織がそっくり入れ替わる。汚職をやっていては政権交代時に発覚してしまうからクリーンな政治が行われる。日本で際限なく続く官僚の腐敗も政権交代がないからだ。自民党から民主党への政権交代により、清く正しく美しい政治が行われることを期待する。

米国の孤立と東アジア共同体構想に関する質問に対する桜井よしこさんの回答は以下の通り。
日本のマスコミだけを見ていてはいけない。米国はフランスとも連携しようとしている。フランスがイラク制裁に乗らなかったのは、シラクとサダム・フセインが友人関係だったからだ。フランスとイラクの強い結びつきもあった。日本のマスコミは米国が孤立しているかのように言うが、米国は孤立していない。同様に、東アジア共同体構想に甘い幻想を振りまくかのように日本のマスコミは言うが、そんな簡単なものではない。ヨーロッパ共同体はハプスブルグ家の構想以来の長い歴史があってのことであり、ヨーロッパの王室は親戚同士、スウェーデンの王室は実はフランス人、というようなところから来ている。アジアでまとまることができるのだろうか。共同体構想からオーストラリアが外れているが、共同体構想に米国が含まれていないからということで、独自の判断で加入を断っている。天安門事件の時にとう小平は100万人死んでも、中国にはたくさんの人民がいると言ったが、それでも、とう小平は支部まで中国の最高実力者だった。日本で、そんな暴言を政治家が口にすれば即座に失脚する。そんな中国と日本が東アジア共同体などで組めるのだろうか?共通の通貨を持てるのか、共通の憲法を持てるのか、言葉に踊らされてはいけない。

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