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スプリング エフェメラル
十和田湖の「キクザキイチリンソウ」「ニリンソウ」
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キクザキイチリンソウ
キクザキイチリンソウ4月になると、十和田湖には「キクザキイチリンソウ」が咲き始めますが、「ブナ」や「カエデ」などの広葉樹は、まだ裸のまま。春とはいえ、寒さがまだ残る早春。群生はするのですが、一面のお花畑というわけではありません。お花畑といえるほどの群生は、本格的な春がやってくるのを待たなければなりません。

キクザキイチリンソウ雪深い北國に生活する人間にとって、春は待ち焦がれる季節です。雪に閉ざされた日々から一転して、ポカポカと暖かな陽を浴びる歓喜の朝とも言えます。蕗の薹が顔を覗かせたり、黒々とした土を目にしただけで、なんとも嬉しくなってしまう季節なのです。しかし、『三寒四温』の言葉の通り、春は一進一退を繰り返す季節でもあります。せっかく咲かせた花が雪に埋もれてしまうことも珍しくありません。それでも「スプリング エフェメラル」の花々は、雪に負けることなく花を咲かせる強(したた)かさを備えているのです。

エゾエンゴサク ミヤマキケマン

群生するニリンソウ
「キクザキイチリンソウ」の花が終わる頃、十和田湖には「ニリンソウ」が咲き始めます。二つの花はどちらもキンポウゲ科に属しています。同じくキンポウゲ科で、猛毒の代表「トリカブト」も葉を付けはじめます。これらはややこしいことに、同じような葉っぱを付け、同じようなところに群生するため、慣れない方には区別が付かないかもしれません。
キンポウゲ科の植物はほとんどが毒草ですが、この「ニリンソウ」だけは早春の山菜として愛されています。キンポウゲ科で唯一と言っていいでしょう。猛毒の「トリカブト」は根元が赤く、いかにも毒々しい感じがしますが、「ニリンソウ」は清楚な白で感動的なまでに美しい花です。

群生するニリンソウ ニリンソウ


十和田湖への「想い」−中島  健−(群馬県在住)

群生するキクザキイチリンソウ
群生するキクザキイチリンソウ
群生するキクザキイチリンソウ
群生するキクザキイチリンソウ
群生するキクザキイチリンソウ
群生するキクザキイチリンソウ

  十和田湖へは、この「キクザキイチリンソウ」を撮影した年の前後数年、いつも春のGWの頃に訪れていました。というのもスキーが大好きな私は、八甲田山の春スキーにすっかりハマってしまい、数日を残雪の上で過ごした後の群馬への帰途の途中に立ち寄っていたのです。八甲田からもっと簡単な経路で帰る事も可能なのですが、何故かあの奥入瀬の川辺と十和田湖に吸い寄せられてしまうのでした。・・・たぶん、5月とは言え雪の白一色の山の上から降りる際、せせらぎと「ブナ」の芽吹きや「コブシの花」、そしてこの「キクザキイチリンソウ」が一面に咲く湖畔を彷徨うことで、春のやさしさを体一杯に感じて、一度冬に巻き戻した自分の中の季節時計を快く元に戻したかったのだと思います。なにしろ群馬の5月はもう初夏ですから、いきなり帰ると春は終わっているのです。
  十和田湖畔の道路を運転し、外輪の山々への峠にかかると、足下にたゆとう湖面の彼方に、白く輝く八甲田連山が眺められます。この峠を反対側へ下ったら、これらの山々ともお別れです。「じゃあね・・・また来年・・・」と心の中でつぶやくことで、この春の旅が終わってしまう事を自分に納得させていたような気がします。
  機会があれば、今度は錦秋の一日をゆっくりと過ごしてみたい。きっと、秋もやさしい時が湖畔に流れていることでしょう・・・。

中島健さんのサイト「風景画集」→ 風景画集


作成/ウェブ作成チーム

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