現在位置:asahi.com>ビジネス>投資信託>ファンドニュース> 記事 純資産額上位20本 〜米国と日本の比較〜2008年03月31日
純資産額は2008年2月末現在 図表(1)は米国籍と日本籍のファンドのうち純資産額上位10ファンドを並べた順位です。米国のファンドは日本円で換算(1ドル=100円)すると全てが4兆円以上の巨大ファンドが並んでいます。また、7本が10兆円以上と1兆円以上が5本の日本とは規模の差は歴然としています。また、設定日を見ると米国ではもっとも新しいファンドは「Dodge & Cox International Stock」の2001年、最も古いファンドは「Vanguard Wellington」の1929年、15本以上が設定から20年以上を経ており、長期運用ファンドに資金が集まっています。20年以上というとファンドマネジャー、アナリストなどの交代なども何度か行なわれているであろうと考えられますが、それでも資金が集まり続けるのにはファンド自体の投資方針が長年にわたって支持された結果でしょう。 また、20本中9本が「American Funds」と銘打たれているがこれは米キャピタルグループの運用しているファンドで、米国では圧倒的な存在感です。他にも4本はバンガードのファンドとなっているが、こちらはインデックスファンドで世界的に著名な運用会社です。 次に日本の方を見てみると「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が1997年設定で最も古く、唯一の10年ファンドとなっています。また、運用期間が3年未満のファンドも7本に上っており、新しいファンドに資金が集まっている傾向がうかがえます。米国においては長期的な運用成果が評価される一方で、日本では比較的新しく設定されたファンドが好まれる傾向にあるようです。
(注1)モーニングスターカテゴリーは日米で基準が異なる。 次にカテゴリーで比較してみると米国は20本中8本までが米国株式、4本が国内ハイブリッド、2本が国内債券となっており、国内の資産に多くの資金が集まっていることがうかがえます。資産クラスで見ると米国株式、国際株式で13本と株式が多くの資産を占めています。一方、日本で多くの資金を集めているファンドのうち10本(カテゴリーのついていない「野村 世界高金利通貨投信」を含む)が国際債券型、6本が国際ハイブリッド型、3本が国際株式型と海外資産に偏重が顕著です。また、資産クラスにおいても日本は債券型が多くなっており、米国に比べリスク許容度が低いと推察されます。 レーティングを見ると運用期間3年以上のファンドにレーティングが付くため、米国では全てのファンドにレーティングが付くなど運用期間の長さが改めて認識される一方で、日本のファンドは7本にレーティングがついておらず、3年未満という比較的運用期間の短いファンドにも多くの資金が流入していることが分かります。また、レーティング値も米国では2つ星以下が無いのに対して、日本では2つ星以下が5ファンドあるなど、相対的に優れていたファンドの選定という意味でも異なる投資行動が見受けられます。 このように米国と日本では純資産額の上位20本を見るだけでも規模、運用期間、投資対象地域、投資対象資産が大きく異なるほか、日米の投資家行動の違いも見受けられることが分かります。米国は長期的運用の国内株式を好むのに対して、日本では比較的、運用期間の短い国際債券型のファンドを好む傾向にあるようです。また、日本では海外資産へ投資するファンドに資金が集まっているのに対して、米国は国内の株式、債券が多くホームカントリーバイアスが強いのではないでしょうか。米国の売れ筋商品と自身のポートフォリオを比較してみるのも面白いかもしれません。 PR情報ビジネス
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