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冷凍食品:売れ行き8割回復…ギョーザ中毒事件2カ月

 中国製ギョーザ中毒事件で落ち込んだ冷凍食品の売れ行きが、被害発覚から2カ月たち、回復しつつある。事件発覚直後に半分にまで落ち込んだが、今は8割前後まで戻ったとのデータもある。国産が好調だが、原材料として中国産が使われている場合も多いとされ、実態とは別に「国産信仰」が進んでいることもうかがえる。専門家は「冷凍食品に依存した日本人の食生活は急には変えられない」と指摘している。

 冷凍ギョーザを売って5人の中毒被害を出した「ちばコープ」市川店。コーナーの一角には1月30日の発覚以来、謝罪と回収の告知が掲げられている。

 冷凍おでんを購入した50代の女性は「事件直後は買う気が起きなかったが、国産なら安心。孫たちは手作りより冷凍食品をよく食べる」と話す。50代の男性も「1人暮らしなので気にしない」と冷凍野菜を買い込んだ。

 冷凍食品の売り上げの推移を示す数字としては、商品の売り上げ情報を蓄えている財団法人・流通システム開発センターのPOS(販売時点情報管理)データがある。それによると、全国から抽出した約240店の冷凍調理品の週間売上高は、発覚直前の1月21~27日には5564万円だった。

 発覚直後の2月4~10日は3119万円(56・1%)に落ち込んだ。その後は週を追うごとに伸び、2月25日~3月2日には4712万円(84・7%)に戻った。翌週はいったん落ちるが、3月10~16日は4238万円(76・2%)に持ち直している。

 大手冷食幹部は「市販用は国産がよく売れ、外国産は低迷している」と話す。しかし、国内で製造された冷凍食品に原材料の産地を表示する義務はないため、中国産野菜などを使っている場合もある。実際、生協では店舗販売の国産加工食品(主に冷凍食品)のうち「隠れ中国産」は4割以上に上っている。

 食生活を研究する大手広告代理店「アサツー・ディ・ケイ」の岩村暢子さんは「冷凍食品の代替品はない。事件のほとぼりが冷め、再び買い始めた」と分析している。【井上英介、奥山智己】

毎日新聞 2008年3月31日 2時30分(最終更新 3月31日 2時30分)

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