宇都宮放送局

2008年4月2日 11時41分更新

救急搬送10回以上拒否も


重症患者を救急搬送する際、医療機関に10回以上受け入れを断られたケースが、県内では去年1年間で11件にのぼることが、栃木県の調査でわかりました。

それによりますと、栃木県内で去年1年間に救急車が重症の患者を搬送したおよそ6400件のうち、救急が重症の患者の受け入れを医療機関に打診して1回以上断られたケースが全体の20パーセントにあたるおよそ1300件ありました。
このうち、5回以上受け入れを断られたというケースは全体の1点2%にあたる77件、10回以上断られたケースは11件に上っています。
医療機関から受け入れを断られた回数が最も多かったのは、去年3月に自宅で脳こうそくで倒れ搬送された足利市の90歳代の女性のケースで18回断られていたということです。
医療機関が受け入れを断った理由では、入院ベッドが満床になっていたというものが558件で最も多く、次いで医師が手術中あるいは、ほかの患者に対応中というものが497件でした。
栃木県医事厚生課では、「症状が比較的軽い人が救急車を呼んで救命救急センターなどに運ばれ、結果として、重症患者がたらい回しにされることにつながっている側面もある。
救命センターや医師会などと改善策を検討する一方で、医療を受ける住民すべての意識改革にも力を入れたい」と話しています。