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2008年03月27日┃福祉

社民党「産声プロジェクト」
現場の助産師さんの声を聞き、厚労省からヒアリング

助産師と医師との対等な連携を

社民党「産声の聞こえる街づくりプロジェクトチーム」は3月27日、あべともこ・辻元清美・菅野哲雄議員が出席し、衆院議員会館で会合を開いた。今年4月から開業助産婦(師)は嘱託医師や医療機関の確保が必要とする改正医療法第19条によって助産院が閉鎖を余儀なくされる事態を重く見て、現場と厚生労働省両者からの聞き取りを行なった。

現場からは、NPO法人「お産サポートJAPAN」代表の矢島床子助産師が、19条を変えることで廃業することにならないようにして欲しいと訴えた。同NPOの緊急アンケートによると嘱託医がいるのは回答91人の内96%で、医師不足により産院の開業が左右されることに危機感を抱く声が多かったという。また、厚生労働省は、19条によって全国で77医療機関が休止等が予定されているとし、内、70は近隣の他の医療機関で対応可能と強調したが、阿部政審会長らに「医師不足の実態が分かっていない」と一喝され、対応の遅れが明らかだった。

江東区の産院を視察 産科医不足は都市でも深刻

福島みずほ・辻元清美、江東区の産院を視察
院長から施設の説明を受ける福島みずほ党首・辻元清美議員

 党「産声の聞こえる街づくりプロジェクトチーム」(福島みずほ座長)は3月21日、東京都江戸川区にある「まつしま病院」を視察。福島党首や辻元清美女性青年委員長らが参加し、同院関係者らと意見交換した。

 院長で産婦人科医の佐々木靜子さんは、まず産科医師不足について「地方だけの問題だと思っていたが、最近は都市部でも医師不足が目立つようになってきた。病院間の連絡、産科医同士の連携がなくなってきたことも影響している」と述べ、都市・地方問わず全国的に医師不足が拡大し「お産難民」が増加している実態を指摘した。

 また佐々木さんは、多くの病院で管理分娩が主流になり妊婦が病院の判断で「産まされている」現状にある中で、「自然な出産」と産む人が希望する出産方法を選択できることが大切だとした上で、「日頃から助産師が妊婦をケアし、医師とともに複数の視点からチェックすることで、リスクを発見しやすくなり、結果として医師の過重労働も解消される」と述べ、助産師を病院の中心に据えることで、お産の安全性がより高まると指摘した。一方で、助産師の活用について「人手不足だから助産師にお産を任せるという発想ではダメ。逆に助産師が『医師を使う』くらいのスタンスが丁度いい」と述べ、助産師と医師との対等な連携が必要だとも訴えた。

 一行はその後、ゆったりとした雰囲気のなかで診察や相談を受けられるよう工夫された診察室や手術室、食堂など病院施設を見学した。

  まつしま病院は「子宮と地球にやさしい」をテーマに、女性のからだに負担の少ない医療を目指している。産科、婦人科、小児科をはじめ、心療内科や思春期外来、さらにヨーガや鍼灸のクラス・サロンなども開き、各種相談に対応している。産科には、助産師外来や母乳外来をもうけて、助産師が中心となり自然な出産、本人が希望する出産方法を支援している。

(関連リンク)
NPO法人「お産サポートJAPAN」 別ウィンドウが開きます
08年3月11日┃社民党「産声プロジェクト」 秋田県北秋田市・大館市 医療現場訪問
社民党の医療政策

 

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