治療中の妻院内失踪、重体 夫が国立病院機構を提訴仙台医療センター(仙台市宮城野区)の精神科で治療中の50代の妻が院内で自殺を図り、現在も重体が続いていると、米沢市の夫が1日までに、センターを運営する国立病院機構(東京)に計約1億6500万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。訴えによると、妻は2005年10月19日昼、センターの精神科外来で治療方針をめぐり担当医と30―40分間、押し問答になった。順番待ちの患者に怒鳴られるなどしたため妻は診療室を飛び出し、「怖くて(精神科に)行けない」などと言って戻らなかった。 約3時間後、病棟の屋上出入り口にいる妻を職員が発見したが、妻に「1人にして」と言われ、その場を去った。約30分後、夫と担当医らが屋上出入り口で、ハンカチで首をつっている妻を発見した。妻は低酸素脳症となり、意識が戻っていない。 夫は「治療中の精神疾患患者が院内で失踪(しっそう)した場合、病院は患者が自殺を図ることを予見できたのに、妻を1人にして監視義務を怠った」と主張している。 仙台医療センターは「訴状の内容を検討する。現段階でコメントは控えたい」としている。
2008年04月02日水曜日
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