福田政権発足後初の国政選挙となる衆院山口2区補選(4月15日告示、27日投開票)は10日、共産党が独自候補擁立見送りを決め、自民新人と民主現職による一騎打ちとなることが固まった。福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表にとって補選は政局の主導権を握るためには負けられない戦い。両党とも総力を挙げた選挙戦を展開するとみられる。
2月10日の岩国市長選に福田良彦前自民党衆院議員が出馬したことに伴い実施される。
自民党は10日、首相(党総裁)が前内閣官房地域活性化統合事務局長の新人、山本繁太郎氏(59)に公認証を手渡した。民主党も同日、現職(比例中国ブロック選出)の平岡秀夫氏(54)の公認を正式に発表した。
自民党は当初、山口県選出の林芳正、岸信夫両参院議員を軸に調整しただけに出遅れは否めない。古賀誠選対委員長は「すべてを懸ける意気込みで必勝を期す」と危機感を強めており、山本氏が6日、山口県議にあいさつした際も菅義偉選対副委員長が同行。全面支援をアピールした。
これに対し、民主党は小沢氏が10日、岩国市での平岡氏の正式出馬会見に同席。「近いうちに迎える総選挙の前哨戦として何が何でも支持を」と訴えた。同党は今後も幹部クラスを総動員する方針で、共産党の自主投票も「追い風」としたい考えだ。【渡辺創】
毎日新聞 2008年3月11日 東京朝刊